
何十年もこの道は緑に包まれてこの季節あったのだろう僕が学生帽を被った中学生の頃僕が下駄をつっ掛けた高校生の頃僕が長髪とヒールの高い靴で歩いていた学生の頃この道の存在すら知らず知る必要もなかった頃今日の僕みたいにこの道を写真に撮った人がいたかなこの道を涙で歩いた人がいたかな今僕はこの道と出会ってこの道の来し方を偲んでいる過ぎ去った見知らぬ人達の足跡の上に立ちなぜ僕がここに居るのか考えているゆるやかな坂道は上るにしろ下るにしろそれはお前が決めろと静かに動かない緑に染まる時期にはいつもこうしてきたのだろうこの道の曲線をなぞりながら時間の描く放物線を辿り始めている心はこの道と無関係だった少年の僕と繋がり怪しげに揺れるそう風と揺れるアンサーの風と揺れる