「だけど不思議だなぁ
     ぼくはずっと以前から
     この町を知っていたような
     そんな親しみを覚えてならないんだ」
       
ゲンセンカンに向かう
ゲンセンカン主人にそっくりな男は誰か
   逃げ込んだ自分を連れ戻しにきた自分
   そろそろ交代とすりかわりに来た自分
ゲンセンカンの女将は何を恐れているのか
   ゲンセンカン主人の風貌
   リアリズムの宿で咳込む主人にも似た
   細面の美男顔のモデルは誰か

     だけど不思議だなぁ
     ぼくはずっと以前から
     この物語を知っていたような
     そんな親しみを覚えてならないんだ
      
寂湯宿奇譚
この奇妙さは僕には予定調和した奇妙さ
デジャブ