ヒールの高い革靴を 
ブリーチアウトしたほころびだらけのジーンズで隠して
ピーターパンに向かう

色鮮やかなメットに覆面したガクセーと
ジュラルミン構えたキドータイが
追いかけっこしたバンチョー

踵で8ビート打って 舗道を歩く
すれちがう人 ほとんどはオレより年上
オレはまだ世の中の半分以下だと思っていた

酔っ払いとか怪しげな男と女たちが交錯する路地
体を壁に寄せて横にならないとすれ違えない階段をのぼり
ドアを 開ける

せんちめんたるロック が 響く

ニールヤングの声 シンプルなドラムのリズム
ロビーロバートソンのストラットキャスター ドライブするココロ
ロウエルジョージのスライドギター うねりうなるメロ

せんちめんたるにナイテいたよな アイツラ

長崎さんの煎れてくれる珈琲は 大して美味くなかった
いつの間にか 飲めないくせに
バドワイザーの壜が定番になった

かたくて小さい椅子に座り 壁に背中つけて 
何考えてたんだろう あの時

ピーターパンには似たような奴らが 寡黙に 集まる

在るのはサウンド せんちめんたるロック
何感じてたんだろう あの時

すごく長い時間 そうやって いた

             ピーターパンはオレたちの隠れ家
             仙台にあった唯一のロック喫茶
             ピーターパンに向かう街並みや
             人通りと人たちの顔はメロー
             まったくネバーランドの入り口だった
             あの空間は風街みたいなものだった