遂に決勝戦が始まろうとしていた。
たいぞう元気印株式会社高校VS米丸学院大学高等学校の試合だ。

「ピーーーーッ!!!!!」

試合のホイッスルが鳴った。

まずはジャンプボール、ここでは俺がタイミング良く飛ぶことができてボールを取ることができた。

そのまま前に全力疾走しているセンターに思いっきりボールを投げた。

センターがキャッチしてそのままリング下でのイージーシュートを打とうとした。よし、決まったな。っと思った時に、たけしが決めさせないと飛び込んできてセンターのボールを大きな音を立てて叩いた。
だがそれでも何とかしてシュートを決めることができた。
普段の練習でボール持ちを強くするように教わっていたからだ。

ピーーーーッ!!!!
たけしのファールによってカウントを貰った。こちら側のセンターはフリースローを全て決めることができた。米丸学院のムードはいい方向に動きだした。

たけしの選択は大きなミスだと思った。主力のたけしが試合が始まって早々にファールなんてしたらチームの雰囲気は悪くなる。
だが、流れを作るせないようにするためのたけしの執念とも感じとることができた。

1ピリは接戦に終わった。

2ピリが始まりボールを運んでいる時だった。ディフェンスをするたけしのいつもの軽いフットワークがとても重そうに見えた。
笛が鳴っては左足のことばかり気にしている。

俺は気づいた。試合始めにセンターのボールを叩こうとジャンプをした時に、センターの膝とたけしの膝がぶつかって、たけしは怪我をしながら無理に試合をしていることに。

とても複雑だった。真剣勝負するとこだがたけしが本気を出せない。かと言ってそれをいいことに力を抜くわけにはいかない。たけしはそういうのが1番大嫌いだからだ。

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