本日の何となく好きな馬紹介は、ヒカリデユールです。(表記はデユールですが、発音はデュールです)

この馬の事を初めて知ったのがいつだったかは忘れました。

おそらく行方不明になった有名馬について調べていた時だったかと思います。

その時に目にしたのがヒーロー列伝だったんですが、とにかくカッコよくて美しくてポスターの中で一番気に入ったんですよね。

それだけに、儚さを覚えたものでした。タイトルはウイポの異名を引用しているんですが、これも何だか儚いですよね。

 

 

上のリンクからそのポスターも見れるので、ぜひチェックしてみてください。

「君は、ヒカリデユール。」っていう言葉が妙に頭に残るんですよね。

活躍した馬に対して種牡馬として期待する上で、「いつか父として」っていう文もよくあるものに感じられるんですが、しかし、それもまたヒカリデユールがサラ系であるという事実を頭に入れた上で読むと、この文にもまた願いや祈りのようなものが含まれていたのかなって深読みしたくなるのもよく分かりました。

 

◇ サラ系とは何なのか

 

サラブレッド系種っていうのは、ざっくりと言って8代以内にサラブレッド以外の種類の祖先や、サラブレッドであることを証明できない祖先の血が混ざっている馬のことをいいます。

日本でも競馬を始めた明治の頃から戦後まもなくあたりまでは、サラ系の名馬もたくさんいたようです。というのも、輸入時に血統書が紛失してしまうというケースが多かったみたいで、血統不明馬が祖先にいる競走馬が珍しくなかったみたいなんですよね。

有名なのだとミラの牝系という一族でしょうか。

ちなみに今回取り上げているヒカリデユールは、5代母のバウアーストックの血統書紛失が理由でサラ系として生まれました。

ちなみにサラ系も8代続けて血統が確かなサラブレッドとの交配が続けば、サラブレッドとして認められるそうです。

 

サラ系ってこと自体はあまり問題視されなかったみたいなんですが、それが繁殖の話となると難しいところがあったようです。

牝馬ならまだ、産駒が活躍するならいいかって牧場が思えば血を繋げられて、それでヒカリデユールだって生まれてきたわけなんですが、種牡馬となると話は変わってきます。

自分のとこの血統の確かな繁殖牝馬にサラ系となる子馬を産ませたいかってなると、やはり悩んでしまう人が多いでしょう。

サラ系ってなった時点で子馬が高く売れるかどうかも不安になってしまうでしょうしね。そういうわけで、サラ系の種牡馬ってかなり不利だったみたいです。

 

◇ ヒカリデユール自身はどんな馬だったのか

 

ヒカリデユールはサラ系ってだけじゃなくて、大井でデビューした地方出身馬でした。

成り上がりって感じで中央で活躍し、秋天で2着(ちなみにこの時の1着はメジロティターン)、ジャパンカップでは5着(海外勢がかなり強かった時代で、日本勢の中では最先着)、そして有馬記念で勝利に輝き年度代表馬に選ばれました。

たしかサラ系の中では初めて…そして唯一の年度代表馬じゃなかったかな。

翌年は大阪杯を勝ったあとに春天に挑むのですが、そこで故障して競走能力を失って引退。種牡馬入りしました。

 

先述した通り、ヒカリデユールは牝系を由来とするサラ系でした。

しかし、この一族は血統書が紛失した馬が祖先であるということに目を瞑れば、かなり優秀な一族だったんですよね。

まず、曾祖母はキタノヒカリという馬なんですが、この馬は牡牝混合時代の朝日杯3歳Sの勝ち馬です。キタノヒカリの全兄弟には、同じく朝日杯と菊花賞、春天といった8大競走のうちの2つを制しているキタノオーや、菊花賞を制しているキタノオーザがいました。

そしてキタノヒカリの娘──ヒカリデユールにとっての祖母はオークス馬アイテイオー。同じくキタノヒカリから枝分かれした同牝系からは、グレード制導入後のエリザベス女王杯を制したキョウワサンダーがでました。どうやら、キョウワサンダーは、現時点での唯一のサラ系のG1馬みたいですね。

 

とまあ、このように、かなり優秀な一族なんですよね。

もしもバウアーストックの血統書さえ紛失していなければ、かなりの良血といってもよかったかもしれない。

しかし、そうじゃなかった。なので、ヒカリデユールはサラ系種牡馬として苦戦を強いられたのでした。

この当時は、内国産種牡馬があまり人気じゃない時代でもありました。その上にサラ系って言葉もついてまわるので、本当に不利な状況だったみたいですね。

種牡馬として成功しなくたって、幸せな老後を送れる馬もたくさんいたと思うんですが、ヒカリデユールは残念ながらどんな最期だったのかも定かじゃない。そんな話を知った上で、ヒーロー列伝のポスターを見てみると、美しいだけにさらに忘れられなくなってしまうんですよね。

 

◇ 昔の馬から今の馬へ

 

ヒカリデユールに限らず昔の馬の話を調べていると、功労馬としてめちゃくちゃ大切にされた馬とさまざまな事情でその庇護を失ってしまった馬の最期があまりに違っていてショックなこともあります。

全頭を救うのは確かに難しい。けれど、やっぱり競馬というのは人気商売をやっていて乗っかってお金を出している人がたくさんいるわけなので、せめて大きなタイトルを取った馬……それこそ、ヒーロー列伝なんて作られるレベルの馬には幸せでいて欲しいんですよね。

もちろん、ヒカリデユールが生きた時代はそれが難しいこともあったのでしょう。だからこそ、今を生きる馬たち──せめて長らく人の為に頑張ってきた馬たちに関しては、最期まで大切にされてほしいなぁって思います。

今の時代はそういう環境が結構たくさん整っていてまだマシですね。こうした未来もまた、不幸になってしまい、それに心を痛めた人達の想いが重なってきた結果でもあるんじゃないかって思います。

だからこそ、昔、こういう馬がいたんだっていう話は風化させずに語り続けた方が良いんだろうなぁ。

 

◇ 最後にゲーム紹介

 

 

現在遊んでいるウイポ9の2022年版でもヒカリデユール(ゲーム内表記は発音通りのヒカリデュール)が登場するので、活躍させたり血統を繋いだりすることが出来ます。

ウイポの楽しいとこってそこですよね。

9の時点でも記事タイトルのような専用の異名はあるんですが、10だと異名ごとにステータス補正もあるみたいなんで、ヒカリデユールのことが忘れられなくなった人はぜひ活躍させてくださいね。