2012年。この頃の競馬もまたタレントが多い時代だったように思います。

クラシック世代には、ディープインパクトの代表産駒としても数えられるだろう牝馬三冠のジェンティルドンナ、ドリジャニ、オルフェに続くステマ配合で、ウマ娘でもまた有名になった芦毛の二冠馬ゴールドシップ、牝馬路線ではジェンティルドンナの2着だったけど古馬になってからヴィクトリアマイル2連覇を成し遂げることになる2に好かれしヴィルシーナ、そのヴィルシーナの連覇を受け継ぐように活躍したストレイトガール、古馬になってから春天を二連覇するフェノーメノ、古馬になってからドバイDFの勝ちっぷりが評価されて日本調教馬として初めて世界一になったジャスタウェイ、ダートを荒らしたホッコータルマエ、久しぶりに牡馬相手にダートG1を勝利したサンビスタなどなど…こうして振り返ると2009年生まれ(2012年クラシック世代)って、長いこと競馬を楽しませてくれた世代でもありましたね。

そんな彼らの活躍の前でこの年の競馬を牽引していたのは、やはり前年の三冠馬オルフェーヴルだったと思います。

 

 

阪神大賞典の逸走、春天の惨敗など、迷走も多い彼ではありましたが、宝塚記念で本来の強い姿を見せてからフランスへ。

フォア賞をしっかり勝ってから、1番人気と日の丸を背負って挑んだのが皆の夢でもある凱旋門賞でした。

ちなみにフォア賞も凱旋門賞も、鞍上は池添謙一騎手ではなくスミヨン騎手。ここは賛否ありましたよね。実際、池添騎手だったらどうだったのかは、ただのファンの私には分かりませんが、私もなんか惜しいよなぁって思った記憶はありました。

しかしまあ、オルフェーヴルですよ。名馬には優等生・エリートタイプと天才タイプと怪物タイプがいると思うのですが、オルフェーヴルは怪物タイプなんだろうなぁっていう印象がずっとあります。内にささったり、騎手を振り落としたり、それでいながら、あらゆるステージで強いところを見せてくれるところ。

それで、見た目も綺麗だもんね。栗毛ってさぁ。

で、そんなオルフェーヴルが凱旋門賞を走ったわけですが、これがもういい走りで特に最後の直線なんて勝ったって思ったよね。ついに日本の夢が…って。しかし、そこでオルフェの悪い癖が現れ、さらに悪いタイミングで伏兵は現れたわけです。

 

 

3歳牝馬が強いレースとは言われていますが、ソレミアはこの時4歳。

58キロを背負い、他馬が沈む中ぐいぐいと抜け出してきました。そして、オルフェも彼女の存在を視界に捉えたのか、はたまたスミヨン騎手の必死の誘導の賜物か、前へ前へと行くのですが、クビ差で敗北。

この時の落胆というか、放心状態というか、何度見ても悔しい敗北でしたね。

 

オルフェーヴルは帰国後、ジャパンカップへ。

抜けた存在と思われておりましたが、ジェンティルドンナとの有名なぶつかり合いもありハナ差で2着。このぶつかり合いは当時結構荒れまして、とあるサイトの両馬の掲示板でもヒートしたそれぞれのファンが血の気の多い書き込みをめちゃくちゃしておりました。当時は冷や冷やしたものだけど、今となってはそれもいい思い出だなぁ。

このレースの賛否はともあれ、牝馬に負けちゃうイメージがついたのってこの年のせいかもですね。(ちなみに2歳の頃の芙蓉Sではホエールキャプチャにクビ差2着だったりしますw)

あと、ここにはソレミアも実は参戦していたりしますが、さすがに沈んでいましたね。

 

オルフェは翌年もフォア賞をステップに凱旋門賞へ挑みますが、そこでは3歳牝馬のトレヴに敗北。この時のトレヴは本当に強かった……。

あれからもうすぐ干支一回りってところですか。凱旋門賞の二着は、エルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルと現れたものですが、そこからはなかなか好走できる馬が出てきませんよね。

ぶっつけ本番も多いですが、やっぱりニエル賞やフォア賞を勝てるかどうかがまず重要なんじゃないかと思うので、そういうタフで優秀な馬が、これからもめげずに挑んでいって欲しいなぁって思います。

出来ればオルフェの血を継ぐ馬だったらいいよね。父オルフェでもいいし、母父とかでもいい。栗毛だったらなおいいなぁ。

 

ってことで、2012年の個人的ベストレースは、オルフェーヴルが惜しい2着だったソレミアの凱旋門賞を選ばせていただきます🐴