つい先日、史上初の無敗での牝馬三冠を達成したデアリングタクトの引退が発表されました。

コロナ禍での牡牝ともに無敗三冠かつジャパンカップでの三冠馬三頭揃ってのワンツースリーという夢を見せて貰ったのもついこの間のようですが、気づけばデアリングタクトも六歳になっていました。

このブログでもデアリングタクトの話をする度に言っている気がするのですが、お祖母ちゃんであるデアリングハートとシーザリオがライバル馬だったというエモ血統なんですよね。

そして、デアリングタクトの血統を見るたびにちらつくのが、ラインクラフトです。

ラインクラフトはデアリングハートとシーザリオと同期で、桜花賞とNHKマイルCを勝っています。特に桜花賞の着順は、ラインクラフトにシーザリオ、デアリングハートと続いていて、この2頭を語る上では外せない名牝です。

シーザリオが現役時代に唯一負けた相手がラインクラフトですしね。

ラインクラフトは自身の血を残せませんでしたが、ライバル馬同士の子孫の姿や名前を見るたびにその活躍を振り返りたくなる、記憶に残る名馬でもありました。

 

私はディープインパクトが古馬になった時代から競馬を見始めたので、ラインクラフトのことも見ていたと思います。ダンスインザムードが勝利したヴィクトリアマイルは確実に見ているはずですからね。ですが、やはり初心者ということもあってか、ラインクラフトについて詳しく知るのはそれからだいぶ後でした。

恐らく、桜花賞、NHKマイルCと見てきたファンは、デアリングタクトの血統にジーンときた人もいるのではないでしょうか。

ちなみに、デアリングバードはタクトの活躍の後でエピファネイアをつけていて、全妹がたくさん誕生していて、2頭がすでにデビューしているのですが、今のところ、タクト並みに活躍している馬はいないみたいです。

父が代わったドレフォン産駒の半妹も、タクトの妹にしては…って感じなので、やはり走る馬のきょうだいが走るとは限らない競馬の難しい部分が出ていますね。

同じ血を引いていても何を受け継いでいるかは変わりますし、環境のちょっとした違いでも影響されそうですしね……。

 

デアリングタクトの話に戻すと、やっぱり繁殖牝馬としても期待しちゃいますね。

何を付けるのかっていう問題はあると思いますが、一足先に繁殖している全妹なんかはキタサンブラックをつけていたりするようです。アーモンドアイにキタサンブラックがOKならあり得ますね。その路線なら、デアリングタクトにはぜひコントレイルとか試してみて欲しいです。無敗三冠同士の配合。それまさしく夢。

まあ、より安全そうなのはドレフォンとかですけれどね。モーリスなんかも良さそう。

ともあれ、これから先、デアリングタクトにはさらに夢を繋いでもらう事になるでしょう。やがて生まれるタクトの子がデビューした時、私はたぶんまたしてもシーザリオとデアリングハートと共にラインクラフトの事を思い出すはずです。

血が遺せなくとも、遺るものはあるんですね。

というわけで、お疲れ様、デアリングタクト。たくさんの夢をありがとう。