2026年、最初の1冊を読み終えました![]()
『Murder on a School Night』
・著者: ケイト・ウェストン(ユーモアとティーンのリアルを描く作家)
・出版: 2023年6月(英語版Farshore)
・ジャンル: YAミステリー/コメディ
・受賞歴: 2023年 Books Are My Bag YA Award ノミネート、YA Book Prize ロングリスト入り
・あらすじ
主人公は高校生のケリー(Kerry)。
親友アニー(Annie)とともに初めて参加した学校のパーティーで、同級生が奇妙な方法で殺される事件が発生。
警察は“事故”として片付けようとするが、ケリーたちは納得できず独自に調査を開始。
手がかりは、生理用品、謎のメモ、そして学校の裏の顔。
果たしてケリーは真相にたどり着けるのか?
笑えてスリリング、でも社会的テーマも鋭く描く青春ミステリー!
この本は、初めて洋書を買った時に彼に選んでもらった1冊です。(5冊まとめて買った中の1冊)
彼曰く、「今の若者の言葉やスラングなどがたくさん含まれていて、英語の会話の勉強にいいかも?」ってことでした。
しかしこの、今の若者の言葉やスラングなどがたくさん含まれていることによって、この本がなんとか読めるレベル(およそ70%)になるまでに、Chapter1で何度も挫折しました。
「あー無理」
そこで今回、私なりに挫折の原因を考えてみました。
挫折といっても、洋書初心者がこの本を読むのに2冊目で手に取るのは時期尚早という意味で、
1,2冊目としては挫折するかもしれないけど、7冊目あたりになって70%読めたのはなぜか?を考えてみました。
原因1. 英語圏の文化を多少見聞きしていないと物語の面白さに入っていけないから。
例えば、この本の中でよく登場するテレビドラマや映画のタイトルは実際に存在するものをもじったものが多く、ティーンたちが当然のように知っているポップカルチャーが会話に散りばめられています。
英語圏の文化をある程度知って人々が普通に知っているドラマや俳優を知っていないと、「何が面白いのか」が伝わりにくいのです。
また、英語圏のYA小説の多くは、より残酷で明確な「ソーシャル・ヒエラルキー(社会的階級)」が土台にあります。
日本のティーンにとっての「学校生活」は協調性が美徳ですがこの本の世界では
「誰がクールなグループに属しているか」
「誰がパーティーに呼ばれたか」
が、生存戦略に直結しています。
パーティーでの事件も、単なるイベントではなく、彼らにとっての「格付けの場」であるという背景を理解すると、登場人物たちの必死さがより滑稽で、かつ切実に感じられます。
また、YA小説では、生理(Periods)、メンタルヘルス、ジェンダーなどの話題が、隠すべきことではなく「語るべきこと」として登場します。
日本の日常会話ではまだタブー視されがちなトピックが、この本では「事件の証拠(ナプキン)」として堂々と、かつユーモラスに扱われます。
彼らにとってこれらの問題は、大人になるための通過点で、声高に(時には冗談を交えて)主張するのが「現代の常識」です。
このオープンな感覚が、日本人の読者には新鮮であり、同時に「壁」にもなる部分だと思います。
原因2. ティーン特有の言葉遊びや皮肉が多い
YA小説の魅力は、若者たちのリアルな会話ですが、同時に、英語初心者にとっては大きな壁となります。
スラング、皮肉、言葉遊びが次々に出てきて、辞書を引いても意味がつかめないことが多いからです。
ちなみに、英語ネイティブの彼ですら「わかんない(笑)」ってなることもあります。
「え、これってただの冗談?それとも伏線?」と迷っているうちに、そこから進まなくなるのです。
英語圏のティーン、特にイギリスの影響を受けた作品では、
「Sarcasm(皮肉)」や「Self-deprecation(自虐)」がコミュニケーションの必須スキルだそうです。
日本では「和を乱さない」ために空気を読みますが、彼らは「ウィット(機転)を利かせる」ことで自分のポジションを確保します。
主人公ケリーが冷笑的な態度をとるのは、単なる性格ではなく、周囲の厳しい目から自分を守るための「鎧」のようなもので、その「トゲのある言葉」の裏にある繊細さがわかると読解が深まったと感じます。
原因3. ユーモアとミステリーが混ざる文体で、場面転換が早い
著者のケイト・ウェストンは元スタンドアップコメディアンとだそうです。そのためか、会話のテンポが非常に良く、思わず笑ってしまうシーンが多いです。でもこの「思わず笑ってしまう」ってとこに到達するのに、相当な時間がかかりました。
思わず笑うためには、英語の文法や表現をある程度知っておかないと、なかなか難しいと思います。
最初は分からなくて当然で、少しずつ彼らの『常識』をインストールしていく過程を楽しむのが、この本との正しい付き合い方かもしれません。
数年後の自分が、今まで気が付かなかった部分でケリーの皮肉に思わずクスッとしているのも期待しています。
私はこの本で洋書7冊目となるのですが、洋書だけでなく彼のおすすめの映画やドラマも数多く観てきました。
英語としての知識だけでなく英語圏の文化も少しずつ触れることでかなりの量が蓄積され、だれもが知っているアレ!っていう話題が洋書で出てきて分かった時は、また違う喜びとなります。
特に「ゲーム・オブ・スローンズ」は「ハリー・ポッター」や「ロード・オブ・ザ・リング」と並ぶ、誰もが知っているドラマとしてよく出てきます。
もちろん、「ストレンジャー・シングス」も定番ですね!
逆に、誰もが知っているアレ!を知らなくても、ストーリーを焦らず追うということも学びました。わからないからと落ち込まず、もう少し経ったらまた読み返してみようくらいの気持ちで挑むのがちょうどいいです。
そんなわけで、洋書を読むぞ!と言って購入した本5冊を今回で全て読み終えました。
私が最初に買った洋書5冊のうちから選ぶなら、個人的に洋書初心者の1冊目としておすすめなのは、
私の洋書レビュー2のHolly Jackson氏の『A Good Girl's Guide to Murder』です![]()
物語へ引き込まれ、それが洋書を読んでいるという感覚を忘れて読破しちゃうおすすめの一冊です。
ミステリー好きならきっと先が知りたくなって挫折せずに読み終えることができると思います。
ところで、バスの中で洋書を読み、すぐにバスから降りられるようにと、私の姉が持ち手付きの洋書カバーを作ってくれました![]()
とっても重宝していて、可愛いしお気に入りです![]()

