苦しんだ半年

 

 

今年の1月31日に、次はこれを読むぞ!って決めて読み始めたこちらの本『These Stolen Lives』。

これ読み終えたら記事に書こうと思っていました。すごく軽い気持ちでした。

 

そして先ほどやっと読み終えました…ゲッソリ

私とパートナーの生活が忙しくなる時期が重なったのもあって、読むのに半年え?!そんなに?!ポーンかかりました。

 

 



タイトル:『These Stolen Lives』
著者: Sharada Keats 

あらすじ:6年前、主人公 Mora(モーラ) は恐ろしい Skøl(スコール)による侵略を生き延びました。
その侵略によって、彼女は家族と故郷を奪われ、今では「生きる権利」を政府に支払う制度の中で生きています。
Skølの社会では「Life is Golden(命は黄金)」という信条があり、生きるには政府に“命の代償”を支払わなければならず、支払えない者は「追放」か「処刑」されます。

 

2024年に出版されたYA(ヤングアダルト)向けディストピア小説で、社会的テーマと緊迫したストーリーが融合した作品。ジャンルは、ディストピア、ミステリー、ロマンス、社会派ファンタジーとされ、テーマは、植民地主義と人種差別、生存の代償と社会的格差、若者の抵抗と連帯などです。

 

 

 最初の数ページを読んだ段階で、本好きな人達の言う『DNFー"Did Not Finish"(読み終えなかった)』に分類しようかと思うほどの難しさでした。

 大体Chapter1を読んだ時点で物語に引き込まれるかどうかが決まると思うんですが、そのChapter1が読み終わらない滝汗

 

 それで自問したんです。「これってYAジャンルのはずなのになんで難しいんだろう。」って。

そしたら、次の理由が浮かんできました。

 

1. テーマが社会的・政治的に重い
2. 世界観がディストピアで複雑
3. 感情の描写が繊細で深い
4. 文体が文学的・詩的

 

これ、納得です。 YAジャンルって若者視点の物語ってだけで、結構重いテーマのものもあるんですね。

さらに、著書であるSharada Keatsは詩も書く作家なので、比喩や象徴が多く、言葉の使い方が凝っているのも難しさに拍車を掛けました。

 

例えば、

 

 "I find planning suicidal heroism very tedious."

という文があるんですけど、本当に詩人ならではのリズム優先の文で、
直訳して「自殺的な英雄行為の計画を立てるのは、とても退屈だと感じる。」
これを意訳して「命を賭けた英雄ごっこの段取りなんて、もううんざり。」という感じになります。

「もううんざり」って軽く言うには、重いであろう命がけの出来事が日常的に起こっているという皮肉を表現しているんです。

 

これを読み抜くことが洋書初心者の私にとっては高い高いハードルであり、「どうしてそう訳すのか」をAIと対話しながら読んでいきました。

そして途中、あまりにも訳せない私のスキルの無さをも悟り、こちらの本も読み始めました。

 

 

「黄リー教」という呼び名で有名なこちらの本『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』です。

この本の内容理解が深まるたびに、『These Stolen Lives』の物語も読みやすくなっていくのを感じました。

 

洋書が読めないよ~って人で英語に時間を掛けれる人には、Lesson10まではスラスラ読めると思うのでお勧めします。理解できた分だけ、洋書が読みやすくなると思います。

精読派の人は「なぜ」が分からないと気持ち悪いという性分の人もいるのでこの本がそれを解決してくれます。(この本についてはまた別の機会に記事にしたいと思います。)


そういうわけで、『These Stolen Lives』という何気に手に取った1冊が半年かけて私を苦しめました笑い泣き

そしてこの本のストーリーはじっくりコトコト煮込んでいくタイプで、最後まで沸騰することもないペースだったのも厳しかったです。Chapter1が終わらないのに、Chapter50 まであることを知ってから、深い森の中に迷い込んだような気持ちで毎日少しずつ前に進んできた日々がやっと終わりました。

 

英語特有の表現にも少し慣れてきて、言葉から湧いてくるイメージが「日本語では言い表せないけどなんかわかる」って言う時が何度もあって、これが「いちいち単語を知らなくてもいいんだよ。」っていう多読の感覚なのかな~とも思いました。

何度も息切れしそうになったので、今後は展開がスピーディーな物を選びたいとも思いました。

 

読み終えて、洋書初心者である私への現時点での教訓を残したいと思います。

 

  1. 買う前に必ずサンプル、もしくは最低でもあらすじを読み、その時点で分からない単語がいくつもある時点で手をだしてはいけない。サンプルを読み終えて、まだ読みたいと思ったら購入を検討してみる。
  2. 「Literary(文学的)」と言われるものは初心者が絶対に手を出すべきではない。(洋書が嫌いになる可能性がある。)
  3. 自分が母国語で楽しんでいる本や映画やゲームのジャンルを思い浮かべてそのジャンルを探す。(楽しみながら読み進められる。)
  4. 実際に存在しないもの(魔法、場所、物、地位、生物、現象)の量が多いほど、初心者には難易度が高くなるのでなるべく現実描写なものから選び、英文に慣れる。

 

 

精読しながらメモしたノートが元の本の分厚さになるんじゃないかと思ったりもしました。

 

今年は英語の勉強辞めますと言っておきながら、「黄リー教」にまで入信した私でしたが(『黄リー教』を始めた人達を入信すると表現するらしい笑)、どの品詞がどの場所におけるのかという英語のルールを知ったり、動詞が準動詞かどうかを見極めたりすることは、英文を読む上で重要なことだということを痛感し、まだまだ修行が足りないな~と思いながらも、次に何を読もうかワクワクしているところですニヤニヤ

 

 

でもちょっと秋まで読書はお休みして、少しシャドーイングに力を入れたいなキョロキョロ