僕は20歳で社会に出てから休みもろくに取らず、
ずっと朝まで仕事をしていました。
そうしないと、自分の価値を自分で認めることが
できなかったのですね。
いつか仕事の量が質に転じて、すごい出来るヤツに
なってしまうんじゃないかと空想しながら、
それでも早く出世したくて、誰かの望みを聞きだしては
その人が喜ぶことを必死にやってました。

ところが32歳の時、やってきたのは大出世のチャンス、
ではなく、うつという症状でした。
頭が重くて、何も考えられない。
体が重くて、布団から出ることもできない。
あんなに頑張っていたのに、職場へ行くどころか、
もう何もできなくなってしまったのです。

そのとき診てくれた、東北大学大学病院の若い先生が
とても論理的に説明してくれて、
燃え尽き症候群といって頑張り過ぎた結果だということ、
脳の風邪みたいなもので、軽症なこと、
セロトニンという脳内物質の濃度が下がっているから
それを改善する薬で改善することができること。
毎晩浴びるように1人で飲んでいた酒というやつは
一時的にハイになって幸福感を感じるけれど
アルコールによって得た幸福感には
実質がないから朝になってやってくる
現実とのギャップに苦しむなどなど。

頭で理解したい僕にとって、その後
脳科学や心理学というジャンルへと
興味をもつきっかけになりました。
そしてこんな苦しい思いをしたんだから、
学んだことを自分で実証して、
同じような苦しみを味わっている人の
手助けができるようになった自分をイメージしようとしました。

職場の尊敬する上司に話すと、
さずがに僕を見抜いていて、
「これまでの考え方のクセだから、それを変えればよくなるよ」
と言ってくれて、
なぜか僕は
松任谷由美さんが言っていた
「失恋から立ち直るには恋愛期間の3分の1の時間が要る」
という言葉と勝手に結び付けて、
30年の3分の1で、10年かと勝手に決めました。

その後半年間何もせず実家で寝て暮らして、
部活のような楽しい仕事仲間と出会って、
付き合った彼女が
「あなたはうつなんかじゃない。そう思い込んでるだけだよ」
と言ってくれました。彼女が紹介してくれた気功の先生も
同じことを言ってくれました。
これは半信半疑ながら、
自分がそうやって休みたかったんだ、
自分を変えたかったんだ、
という気づきを与えてくれて、
思い込みってやつの力もあばいてやろうと思いました。

すると、きっかり10年でコーチングと出会い、
そこから心理カウンセラーの資格を取り、
今、心屋でもっともラクに自分を満たすことが
できるようになってきました。
10年の間、一進一退でしたが、
今僕は、毎日が楽しくてしょうがないです。

だから僕は、苦しんでいる人がいたら、
その苦しみは必ず消える。ということを伝えたいんです。
その処方箋は、
自分が本当にありたい姿を思い描いてみること。
そして、今はどんなに苦しくても、
ありたい自分をスタートするという、
苦しみから解放されるゴールを
見に行くこと。

それは長い時間かかったとしても、
グルグル同じところを回っていると思う時でも、
暗闇の中、目を向ければいつも同じところで
小さく輝いている北極星のように、
道しるべとしてあなたを見守ってくれます。
北極星が見つかれば、夜空には
こんなにたくさんの星が輝いていたのか!
と驚くほどのまぶしい光の存在が
自然に見えてくるのです。
そして、満点の星空の下、必ずゴールにたどり着く。
そのとき、夜は明けます。

僕はその人が道しるべを見つける手助けをしたい。
見つかれば、誰でも必ず、自力で夜明けを見ることができるから。



心屋認定講師を目指すマスターコース35期受講中
日本メンタルヘルス協会基礎カウンセラー