病棟勤務になって早1年が過ぎました。
最近になってターミナル(死期が近い事)の患者さまを受け持つことが多いんです。
痛みや息苦しさを訴える患者さまにいかに楽になってもらうかを暗中模索し続ける毎日・・・
私にとって本当に考えさせられる患者さまとの出会いと別れがありました。
進行した食道ガンで入院した時点ですでに予後は厳しい方でした。
化学療法とリニアックを併用した治療をしていましたが副作用が強く見る見る食事が取れなくなり・・・
毎日ひどい咳と痰に悩まされていました。
食欲がなく通りの悪い食道でしたが『少しでもいいから水が飲みたい。』という欲求に応えるため
氷片を口に入れては出すを慎重に繰り返していました。
しかし・・・恐れていた誤嚥が起こり・・・
私の休み明けには気管切開が施されていました・・・
それからの患者さまは、呼吸困難と痰つまりに苦しむ毎日でした。
喋る事さえ奪われ、50音表を疲れた表情で指差す患者さまを見て・・・
何も出来ない、苦しみを取ってあげるはずが苦しみを増強させてしまった無力感、主治医に殺意すら抱きました。
患者さまの指差す言葉に『早く楽になりたい・・』という言葉が目立ってきた頃・・・
それは本当に思いがけずやってきました。
とても表情が穏やかになり、会話が弾み、いつもは苦しいはずの体位変換もSpO2の低下もなくにこやかに行え・・・
しばらくすると意識レベルが著しく低下し・・・呼吸がすごくゆっくりになり・・・
静かに、やっぱり穏やかに旅立って逝かれました。
すごく悲しいのに涙が出ない私・・・ただ何も出来なかった無力感が肩にのしかかり息が止まりそうでした。
たくさんの患者さまの旅立ちをお見送りしてきましたが、今回は本当に自分の未熟さ、無力さを痛感しました。
看護師って本当にいまさらながら辛い仕事です。
患者さまとのお別れがある度にやめたくなってしまいます。
でも・・・私には自分の父を満足に送り出してあげられなかった後悔があるので・・・
きっとこれからも父への罪滅ぼしは続いていくのかなぁ・・なんて思ったりもしてます。