青木木米(あおきもくべい Mokubei Aoki)
明和4年―天保4年
江戸時代後期に活躍した陶工・絵師の巨匠。
野々村仁清・尾形乾山とともに「日本三大陶工」
永樂保全、仁阿弥道八とともに「京焼の幕末三名人」と称されています。
青木木米は、高温の窯に耳を近づけて、火が爆ぜる音で温度を測っていたといい
その耳を酷使するやり方のため晩年は聴覚を患い
ほとんど聴こえない状態になってしまったといわれています。
そのため、晩年は自ら「聾米」と称したのは有名な話です。
そんな陶工としても名高い青木木米は絵師としても高名で
今回はそんな絵師・青木木米の絵画作品です。
これまでの陶磁器作品はこちら!
青木木米 龍文赤絵鉢(1):陶磁器
青木木米 龍文赤絵鉢(2):陶磁器
青木木米 草花文染付香炉:陶磁器
青木木米 漢詩土瓶:陶磁器
山水図の下部拡大です。
他の木米作品と比べても筆のタッチは同じと言っていいものです。
上部にある漢詩の賛です。
この賛とほぼ同じ賛を記した作品も残されています。
参考資料として、その作品の賛と比べてみます。
右側が参考資料。
集英社 刊「日本美術絵画全集 21 木米/竹田」からの抜粋です。
参考資料に比べて当作品は漢字が一字足りません。
これはおそらく「弘法も筆の誤り」としての書き損じではないでしょうか。
しかし筆跡は酷似しており
同一人物の書として間違いないと思われます。
署名は別な参考資料と比べます。
右側が 淡交社 刊「落款花押大辞典」から抜粋です。
署名は崩し字で晩年の号「聾米」と記されいます。
筆跡も同じとして過言ではありません。
ただ、印譜については同じようなものはありますが
当該印譜と合致するものは現状確認はとれていません。
軸裏には細字で題目が書かれています。
おそらく後世になって書かれたものでしょう。
ひと言コメント
印譜の確認はとれていませんが
絵のタッチや賛の筆勢などから考えて
青木木米の真作で間違いないだろうと考えます。
箱は時代がかった無記名の合わせ箱です。
これまでの陶磁器作品はこちら!
青木木米 龍文赤絵鉢(1):陶磁器
青木木米 龍文赤絵鉢(2):陶磁器
青木木米 草花文染付香炉:陶磁器
青木木米 漢詩土瓶:陶磁器