十返舎一九(じっぺんしゃいっく Ikku Jippensha)
明和2年—天保2年
江戸時代後期に活躍した戯作者であり浮世絵師の巨匠です。
日本で最初に文筆料だけで生計を立てる事ができた職業作家です。
代表作「東海道中膝栗毛」は江戸の世で大ベストセラーとなりました。
式亭三馬とともに滑稽本の二大作家と呼ばれています。
そんな十返舎一九が描いた寿老人像とその絵に添えた賛です。
滑稽な絵柄は十返舎一九そのものといった感じです。
落款部分です。
この落款には朱印は押されていません。
ひと言コメント
保存状態はあまり良いとはいえず、所々に絵の剥離がみられます。
要修理・修復が必要な作品です。
箱は時代箱に入っていますが、題目などは書かれていません。
十返舎一九は「膝栗毛」シリーズの作品とは裏腹に
相当に気むずかしく変わり者だったようです。
また、辞世の句として
「この世をば どりゃおいとまに せん香の 煙りと共に 灰左様なら」
と残しています。
私は「膝栗毛」シリーズの当時の和本も一冊持っています。
その本も、いずれアップしていきます。