音楽にまつわる思い出~その3
小学校6年生くらいまで、エレクトーンを続けていた。
でも、父が転勤族だったため、小学校時代は転校ばかり。
エレクトーン教室も当然あちこち、途切れ途切れに通うことに。
そのうち、一番短かったのは、
1学期の間だけ、ということがあった。
このエレクトーン教室での思い出。
そこではグループレッスンだった。
とはいえ、入れてもらったグループのメンバーは もともと二人。
同じ歳の女の子と、1つ上の男の子。
子供心にも、「これはちょっとお邪魔かな?」と思っちゃったけど、
二人ともとても親切にしてくれた。
男の子は、たーくん といった。
先生に言われるがままテキストを順番に弾くのが普通と思っていたのに、
彼は自分の好きな曲のレッスンを受けていた。
颯爽とエレクトーンを弾く たーくん。
かっこよかった。
帰り道、方向が一緒だから、送ってあげるといって、
一緒に帰った。
大人に見えた。
別れ際の曲がり角で、いつまでもおしゃべりした。
交番のおまわりさんに、ひやかされながら・・・
淡い、恋。
そんな短い間に、ちょうど発表会があった。
私達のグループには「サル」というテーマが与えられていた。
なんだか、動物のテーマに沿って選曲するということだったらしい。
とゆうわけで、「アイアイ」という童謡とゴダイゴの「モンキーマジック」
が選曲されていた。
たーくんが ものすごくかっこよく弾くメロディーに
わたしは、伴奏の担当。
なんと、伴奏は今でも弾ける(たぶん)。
「ララドレ、ララドレ・・・・・・・・・・・・・・・・」
エレクトーンなのに、下の段だけ使って、両手で
ず~~~~~~~~~っと 「ララドレ」 だけ。
ウチで練習してると、母が
「なにふざけてるの?」と怒ったくらい。
いくらやる気のないわたしでも、これはあんまりなパートだった。
それでも、たーくんの伴奏をするんだと思うと、かまわなかった。
発表会が終わり、すぐに引っ越すことになり・・・
引越しの前日だったか、
すごーくドキドキしながら、たーくんの家に電話をかけた。
彼は留守だった。
さよならも言えないまま、
淡い恋はおしまい。
まるで夢だったみたいに、ぼんやりとした、思い出。