86点





久しぶりに心を熱くさせてくれる作品に出会った



直木賞を受賞しており(受賞していても詰まらない作品は数多いが…)、



前評判がよかったから期待していた



そして、



ストーリー、テンポ、人物設定など、期待を裏切らない内容だった



東京~広島間の新幹線の中、3時間半で一気に読みきってしまった





ストーリーは、、



ロケット研究者だった佃が挫折し、職を辞し、実家の小型エンジン開発の中小企業を継ぐ



特許訴訟などの危機を乗り越えつつ、研究者としての夢と経営者としての現実との狭間で佃が葛藤する姿が描かれている



社内のいざこざや大企業との戦いを経て、ロケットの基幹部品を納品すべく奔走する…



最後に残るのは爽快感だ



映画『遠い空の向こうに』を観たときのそれと似た感覚だった



あちらは少年のロケットの夢、こちらは研究者や社員達のロケットの夢





ちなみに、



技術音痴の自分から見ても内容的には専門性には乏しい



しかし、この作品はとにかく読後感が素晴らしい作品だった





同じメーカーに勤めるものとして、思いは一層



モノ作りへのプライド、品質への敬意



(自分は大企業側で経営管理だけど)



たとえ現場ではなくても、こういう気持ちを大事にして働かねば





まだまだ若手に毛が生えてきたくらいだけど、



社会人経験を経て感じるのはヒトの力の偉大さだ



投資や限界利益は計算できるけど、モノ作りは会社生活は数値化できないことばかり



分からない中で、日々競争し、利益を出して、社員やその家族の糧を稼がねばならない



モノ作りを支えるのは、信頼であり熱意であり、ヒトの力の結集そのものだと日々実感する





ソニーやホンダ、松下などの元は零細企業から出発し、戦後のモノ作りを支えてきた有名企業は元より



世の中に星の数ほどある優良な日本メーカーを支えてきたのは、こうした社員一人一人のアツい思いと技術の蓄積だろう



アツい思いがない会社に良い会社なんて存在しない



逆説的に言えば、日本の良い会社はなくなってきているのかもしれない



自分がメーカーで働くのはこういう気持ちを大事にしたいから





最近、外資のコンサルなどから転職オファーが来る



買いかぶりだと思うが、仮に転職して倍の給料をもらえるとしても、自分はメーカーを辞めたくない



今自分はメーカーでやりたいことが沢山ある





一度転職した身で益々思うこと



まずは自分の愛する会社をカッチョよくさせたいキラキラ



世間では叩かれるけど、まだまた捨てたもんじゃないと思う





アップルが凄いのは『ありもの』であっても技術を結集して需要に結びつけた力だ



差別化したのはデザインであり、ユーザーインターフェースだったのかも知れない





でも、うちの会社にはアップルの真似事ではなく、まず第一に固有の技術を大切に育んでほしい



技術本位の会社と言われたっていい



勝てば官軍、負ければ賊軍だ



そして、一人一人のアツい思いで、技術を活かした商品を価値体験を世に広め、ブレークスルーさせたい





MBAを第一に掲げる輩などクソ食らえ、既存の考え方に縛られたインテリが何を叫んだって良い商品は生まれない



自分の生活が安定していればいい?



悩みがちな社員や育児、女性への配慮はもちろん大事だけど、文句はやることやってから言ってくれ



自分は本気で会社を日本をよくしたいと思うヒトと働きたい