嵐のような7月が過ぎ去り、気が付いたら8月。

 

 先月最後の当直では、交通事故で重度の脳挫傷を負った18歳の

 少年が搬送されてきた。

 

 来院時にすでに瞳孔は散大しており、脳外科もさじを投げたが

 ERの医師が家族を説得し脳死判定後の臓器提供を取り付けた。

 

 しかし、交通事故が夜間だったため脳死判定は翌日へ持ち越し。

 

 ICUでは治療のためではなく、脳死ドナー(候補)として患者の

 受け入れを準備していたが、脳挫傷がひどく患者は朝を待たずに

 ERで心肺停止へ。結果ドナー候補から外れた。

 

 心肺停止ではドナーになれないけれど脳死ではドナーになれる

 この紙一重の差、ドナー候補の家族はどんな思いでわが子の死

 を迎えたのだろう。

 

 しかし、その答えも出せないまま当直明けに15時間爆睡して

 起きるとすでに8月、VAホスピタルいわゆる在郷軍人病院の

 ローテーションになっていた。

 

 初日、本院からVAホスピタル行きのシャトルに乗ったはずが

 寝ぼけていたせいか気が付いたら他の関連病院へ。

 

 あわてて、本院に戻り地下鉄でVAホスピタルへ向うも大幅な遅刻。

 

 幸いVAホスピタルはICUでもダメなときはダメなんだから無理

 しなくていいよ、みたいな雰囲気が流れていたため問題にならずに

 すみほっとした。

 

 今までレジデンシーをしてきたところがそのような雰囲気で、

 正直あきれてしまうことも多かったが、緊張で張りつめた空気の

 ところからくると、こんなのもいいのかなとふと思った。

 

 今月は内科専門医の試験、心身ともにリフレッシュして試験に

 臨もうっと。