男気に感動して男が男に惚れるという体験はそんなに出来る事ではないと思う。
それは、正に本宮ひろ志のマンガに登場する主人公のような人物であった。

彼(A氏)とは、ある会の旅行に出かけた際に同部屋となり縁あった人物で私と年齢で一つ下にあたる。

その会とは毎年一回国内旅行に出かける企画があり、今回は長野県の木曽へハイキングをするプランであった。

出席者の中には数名、政財界でトップクラスの方々が含まれるメンバー構成になっていた。

2日間行動を共にして思った事はA氏は誰に対しても同じ態度で接するのだ。
相手が大企業の社長でも中央政治家でも学者の先生でも終始一貫同じ態度で自分のスタンスを貫く破天荒な男なのだ。

関西弁独特の口調で歯に衣着せぬ物言いで相手に突っ込んで話したり、肩を叩いたりしてまるで後輩に接するような在り方なのだ。

だからと言ってむやみやたらに失礼な態度に写らないところが凄いところだ。

要するに彼の生き様に皆共感するのである。更に、気配りが行き届き、深い配慮があり、愛情が感じられるからこその事である。
私もそれを感じた一人であった。

私ともう一人友人が参加したのだが、相部屋ではなく男子と女子で分かれる部屋割りになっていた。そこでA氏がせっかくの機会なのに主催者側の配慮がないと言い出し、身銭を切って宿と交渉してくれ別に部屋を隠密に取ってくれたのだ。
私が逆の立場だったら同じようなことが出来ただろうか?

絶対に出来ない行為であったと思う。
相手の立場を汲み、おまけに身銭を切って当日では交渉不可能であろう部屋を取ってくれ、おまけにその事を主催者側に漏れずにさりげなくやってのけたのだ。初めて体験した出来事で感動した。
こんな男もいるんだなと思わせる人物に出会えた貴重な旅行であった。