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『染(そめ)』

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~織(おり)~

 

1940年代のオリジナル501XXに使われているデニムは、現在生産されている一般的なデニムと比べて、厚くて目が詰まっており、表面に凹凸があってザラついている点が、最も大きく異なります。

この表面の凹凸こそが、染色された糸自体の芯白性と相まって、はき込んだときのムラ感ある微妙な色落ちを生み出すのです。

このどちらかが欠けても、味わいのあるアタリは決して出ないのです。
それでは、そのような目が詰まって凹凸のあるデニムはどうしたら作れるのでしょうか?

 

            

その秘密は使われる機械にあります。

1940年代のデニムを織り上げたのは旧式の力織機と言われています。

これらは、あまりに効率が悪かったり壊れてしまったりしたため、大多数がすでに廃棄され、現在ではほとんど残っていない織機なのです。

シュガーケーンの生地は、そのような貴重な力織機を使って織られています。

この織機は、現在広く使われているものとは異なり、タテ糸(藍糸)を強く張らずにヨコ糸(白糸)を打ち込んでおり、その打ち込みには、堅くて重い樫の木でできた「シャトル」と呼ばれる飛び道具が使われています。

つまり最新式織機の約6分の1という抵効率で、ゆっくりと時間をかけて織っていくのです。

そのため、ヨコ糸を打ち込む力が強くなり、ヨコ糸同士がズレ重なり合うようになり、その結果、表面に凹凸ができ、目が詰まって織り上がるというわけです。

 

            

シュガーケーンデニムはこのような豊田自動織機社製の旧式の力織機で織られています。

幅も、現在の一般的な織機に比べて狭い、29インチ幅です。

大変古い機械であるため、壊れても部品の補充が効かなかったり、作業効率がとても悪いため、現在ではほとんど使われていません。

 

            

旧式の機械であるため、もちろんコンピューター制御などではなく、このようなパンチカードに従って動いています。

デニムを綾織りで織るためには、タテ糸を規則的に上下させ、タテ糸何本かおきにヨコ糸を打ち込むという作業をしなければいけないのですが、その程度の規則性なら、パンチカードでも十分こなせます。

 

デニム生地を生産する工場は国外に多数あります。

均質なデニム、大量のデニム、安価なデニムなど、それぞれが得意とするカテゴリーがあると思います。

しかし、世界広しといえども、岡山産のデニムほど品質の高い(正確には低いつまりローテクな)ヴィンテージデニムを作れるところはないでしょう。

その理由は、旧式の力織機をこれほどたくさん揃えているところはほかにないからです。

かつてデニム生産メーカーはどこも、生産性と安定した品質を求めて技術革新の波に乗り、織機を新しいもの、新しいものと変えていきました。

ある時期まではそれでも良かったのですが、ヴィンテージ・デニムの独特の味わいが再認識されたとき、そのようなデニムをまだ作れるメーカーはほとんどなくなっていたのです。

もちろんヴィンテージデニムを織れる機械を新しく開発したり、そのように改造することもできるでしょうが、需要が多くないため、どちらにしろ、割に合いません。

そんなわけで岡山産のデニムは引っ張りだこになり、旧式の機械を最良の状態に整備しつつ、生産効率が悪いヴィンテージ・デニムを今日も作り続けているのです。

 

次回は、『縫製』について触れていきたいと思います。

 

ありがとうございました!

今後もジャンキースペシャル&シュガーケーンを宜しくお願いします!

 

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