友達が、遠距離恋愛の果てに別れた。

スタートも遠距離で始まった二人。

毎月一回、どこかの週末に、彼の住む街へと、彼女は遊びに行く。
そのために彼女はお金を貯めて。
彼氏は当時学生だったため、働いていた彼女のほうが、金銭の負担をしていた。

そして就職。
彼の就職先は、今までよりもさらに彼女と離れた場所になった。
それでも、彼女は相変わらずお金を貯めて、彼に会いに行った。
彼の住んでいる場所のほうが、遊ぶ場所がたくさんあったから、彼女の元へ彼が来るのではなく、
彼の元へ、彼女が遊びに行っていたようだ。

彼女は、彼と結婚したかった。
彼も、いずれはそのつもりだったらしい。


当時は。


彼は、一流企業に就職した。
将来安泰、しかも、めっちゃイケメンだった。
性格は微妙なところもあったが、彼女は彼に夢中だった。
また、彼女も、とても美人だった。
しかも気配りもよく出来、人をけして責めない。
アタシから見ても、十分に憧れに値する女の子だ。

しかし。
就職すると、付き合う人間が変わる。
それに伴い、彼の考え方も変わってきた。

遠くにいる彼女を待たなくても、近くにも遊ぶ相手はいる。
結婚なんて、自分にはまだまだ早すぎる。
ようやく自由を手に入れた今だからこそ、もっと遊びたい。

そう思い始め、彼からの連絡は次第に途絶えていく。

彼女は不安になる。

なぜ、連絡がないの?

アタシ、何か悪いことした?

他に女が出来たの?

アタシのこと、もう好きじゃないの?

それを彼にぶつけてしまう。

そうなってくると、もう遠距離恋愛は成り立たない。
なぜなら、遠距離恋愛は、「お互いを信頼しあう」ことが大前提だから。

そうして結局二人は終わった。

4年か…。
長いのか…短いのか…。

彼女に、新しい出会いが訪れるのを祈るばかりだ。