何やらAがアタシのところに相談に来た。


いろいろ人生について悩んでいるようだ。


教え子の中には、悩みを抱える子もたくさんいる。


将来の話、金銭の話、自分の適性について…若者の悩みは尽きない。


Aの悩みもそんな中の一つ。


Aはこういっちゃなんだが、結構アホだ。


見た目はクールに見えるが、知能レベルは小学校くらいなんじゃないかと思う。

(失礼極まりない(;´Д`A ```))


だから、行き詰ると、子供のように涙をぽろぽろ流して泣く。


過去にも何度かあった。


でも、ここのところは、少し大人になったのか、あまり人前では泣かなくなった。


ってか、先生の前で、泣かなくなっただけか?


ところが、今日はアタシのとこにやってきて、


「先生…」


と泣き出した。


ま、話を聞いてみると、上に書いたような感じでとにかく悩んでいるらしい。


じゃ、詳しい話を聞くから、と個室に移動。


おっと。これは別にAだから話を聞くってわけじゃなくて、誰が来ても同じ。


やっぱり、職員室だと話しづらい話もあったりするわけで。



しかし。



計算か?


計算なのか!?


と思ってしまうほどに、ぽろりぽろりと泣き出してしまった。


なんで泣くんだ、アタシの前で。


涙を必死にこらえるその姿は、まるで小動物のようで。


なんとかしてあげたい、助けてあげたいって思ってしまう。


抱きしめたくなってしまう。



だって、二人きりだし…。



こんだけさめざめ泣いてるんだし、慰めてあげても良いんじゃないかな?


ってか「慰める」って感じがいやらしく思えるのはアタシだけか?笑



と、いうことで、思い切って抱きしめてみた。


と言っても正確には抱きついてみた。



だって、Aの方が背が高いし。


「せ、先生?」


泣きたいときはしっかり泣いとけ。


「…ありがとうございます。」


でも、びっくりした衝撃で、涙は引っ込んだらしい。



あるよね、そういうこと。



Aは自分の両手の行き場に困ってたけど、結局、アタシの背中に落ち着いた。


Aの体温がじんわり伝わってくる。


少し荒くなってた呼吸も落ち着いてきた。


しばらく抱き合ったままで。



この時間がずっと続けばいい。





































なーんてな。


あるわけないって(;´Д`A ```


出来る限りのアドバイスして、帰らせた。


なんかもう、恋って言うよりは、「母親」の気分なのかも…。


って気がしてきた。


ま、それならそれで、旅立ちの日を温かく見守ることにしますヾ(;´▽`A``