この曲は1925年のヒットソングで、もともとは『No, no, Nanette』というミュージカル映画のIrving Ceasarの台本にVincent Youmans

が曲付けしたものです。


 動画をみると当時の(戦前の)明るさというか勢いを感じますね。いかにもミュージカルっていう感じです。もう100年近く前に上演されていたなんて驚きますね😅日本では大正14年、関東大震災が大正12年ですから東京は復興に向かっている最中だったことでしょう。


 日本では普通選挙権が25歳以上の男子に与えられた年でもあり、これから民主主義を一歩づつ進めて行く途中でした。この年前後からナチスが権力を持ち始め、世界は戦争へ突入していくわけですから100年の間にどれだけ世の中が移ろっていくかを思うと恐ろしく、悲しい気持ちになりますね💦😭


 でもどんなときも庶民は生きることに明るさと楽しさを見つけて物語を紡いでいきます。歌はいつも庶民の傍らにあるんだなぁと思いますね✨✨

 これから100年が平和な世界に向かって行くことを願うばかりです😔


 というわけでこの曲はずっと歌い続けられて現代にいたるわけですが、インストゥルメントでもいろんな名プレイヤーに愛され続けてます🎹🎷🎺

 可愛らしい洒落た曲調で現在の日本のCMでも使われてますね☝️


 音楽が時代を超えて「縦の糸」になって「横の糸」は様々な時代背景と人々の暮らし……そんな感じですかね〜💖

 これから100年後はどうなっているかな? まだ人々の記憶に残っているでしょうか? その前に世界がちゃんと残っていればですけど……(怖)


 ところでこの曲の内容ですがNanetteという女のコが恋人のTomとお互いの将来を思い描いて歌っているものです。動画ではデュエットで掛け合いしていてとても楽しそうに見えます💖🤗


 でもちょっと不思議だなと思う所は、女性シンガーが一人でアンニュイに歌うとシチュエーションが全く違って見えるというところ。

 ウキウキした楽しさからはちょっと遠くなって叶わぬ夢?の中に浸っているような雰囲気…。


 定番のスローアレンジBlossom Dearieを引用させていただきました。けっこう女の子が自分の世界に入り込んで妄想してる感じが出てると思いますね😅前歌も歌っているので聞いて見てみてくださいね☝️


 彼女の歌は可愛くてまたピアノの腕前もあるんですが、きちんとまっすぐ力強くというような価値観をさらっとかわしているところがなんと言っても素敵です。強さはなくても誰かの真似ででなく自分の道を自信を持って歩いている感じが良いですね☺️

 

https://youtu.be/kPN17supM-0 


 この曲は前歌が歌われないショートバージョンが多いです。コーラス(本編)の部分の出だしはpicture me upon your knee~から始まるのですが、男性との掛け合いとは知らずpicture meは誰に言ってるのだろう?きっとpictureの前に"I"が省略されてて、自分で妄想してるんだろうなと思ってたのです😅


 昭和歌謡の小坂明子の『あなた』というヒット曲ご存知ですか? もしも私が家を建てたなら〜で始まる有名な曲ですが、大きな窓や小さなドア、そして暖炉もあるおうちを建てたいと。そして外で子犬と遊ぶあなた、あなたこそがいてほしいという歌ですね。サビが切々と訴えかけてきます。素敵な歌でしたね。

 でもあなたはいない、という状況。

 tea  for two もそんなイメージの曲はなのかなと思っていました。

 あなたはいるのかいないのか、どっち?

 あなたさえもいない全くの妄想ということもありますよね。小坂明子の歌もそうですが恋に恋する女のコの歌なのかもしれない。

 どっちにしてもも胸キュンなシチュエーションではあります🤗 

 

 そして男性が歌うときは歌の中のyouとme が入れ替わるというのもなるほどと思いましたね。男女の立場が変わらないように配慮されてます。お膝に乗るのは女のコであって決して男の子であってはならず、同じくケーキを焼くのは女のコであり男の子であってはならないというのが当時(以降)の当たり前の男女観なんでしょう…


 現代ではそこまで言葉を入れ替えなくても良さそうですね☝️

 逆に入れ替えないほうが深いし楽しいと思いますね✨✨

 何と言っても100年前の歌ですから…

 そのへんは そっとしておきましょう〜(◍•ᴗ•◍)❤


Tea for two


(Verse)

I'm discontented with homes that are rented

                          so I have invented my own;

Darling this place is a lover's oasis,      

                      where life's weary chace is unknown.

Far from the cry of the city

              where flowers pretty caress the steam,

Cozy to hide in, to live side by side in,     

                don't let it abide in my dreams.



(前歌)

わたし借家には満足できないの

だからね、自分の家を想像してみたの

そこはね、恋人たちがゆっくりくつろげる所なの

生活に追われてうんざりするなんてことなんてないのよ

街の喧騒から遠く離れて

小川の脇ではかわいい花がそよいでいるの

居心地がよくてひっそりとよりそって暮らすの

閉じ込めておかないでね

私の夢の中に…



(Chorus)

Picture me [you]  upon your [my] knee

Just tea for two  and two for tea ,

Just me for you  and you for me alone.


想像してみて

あなたの膝にのる私を

二人のためのお茶

お茶のための二人

あなたのための私

私のためのあなた

ただ二人だけなの


Nobody near us   to see us or hear us,

No friends or relations   on weekend vacation.

We won't have it kown,  dear,

That we own a telephone,  dear.


そばには誰もいなくて

見られることも、聞かれることもないわ

友達も、親戚も

週末の休暇にだってこないの

私たち知らせるつもりなんてないの

電話があるってことを…ね


Day will break  and I'll  [you'll ] awake

And start to bake  a sugar cake

For you [me] to take  for all the boys to see.


夜が明けて、私は目が覚めるの

そしたら甘いお菓子を焼き始めるわ

あなたに食べてもらうため

他の男の子には見せるだけよ


We will raise a family ,

 A boy for you, a girl for me.

Oh can't see how happy we would be?


家族になって子供を育てるの

あなたのために男の子

私のために女の子

あ〜わかるでしょ

私たち、どれだけ幸せなのかしら?



 最後のサビの部分、将来家族になることを想像して「あなたのために男の子を」「私のために女の子を」と表現している部分ですが、ここは主人公が男性でも女性でもyouとmeの入れ替えは指定がありません。これからベビーを夢見るカップルなら二人で男の子女の子どっちがいい?なんて睦み合うシーンもあるでしょうね☺️

 男には男、女には女という設定になってますが息子でも、娘でもこだわらないけど仲良し家族を夢見ているという雰囲気をただ表現しているということでしょう(◍•ᴗ•◍)❤