この曲はもともとは1939年にジェローム・カーン&オスカーハマースタインⅡによってミュージカル『5月にしては暖かい』のために書かれた曲です。
戦前、しかも80年以上も前なんだなぁと、改めて愛される音楽って息が長いなぁと思いますね✨
ジャズのスタンダードはミュージカルの挿入曲をアレンジしたものが多いですね。前歌(バース)をつけて歌われるものはその雰囲気が伝わってきます。
通常はコーラスと呼ばれるいわゆる流れのサビのところだけをピックアップして独立した歌として認知されていますので、逆に前歌付きを聞くと❓となる場合も…😅
でもバースがとても美しいものも多いのです。この曲をカーリー・サイモンは定番としてバースから歌っているのでご興味ある方は是非聞いてみて下さい✨ (今回は前歌を訳してないので前歌なしのエラのバージョンを引用しています😗)
この曲自体、圧倒的にインストのセッションの題材になることが多くて、転調したりマイナーからメジャーになったり、個性的なイントロやエンディングなど、難しいけどかっこいいところがプレイヤーの腕の見せどころになっていますね♪
反面、歌のアレンジが少ないような…
歌詞は本当に素敵な深い世界観なんですけど、音域が広くてなかなか上から下まで歌いきるのがハードなのかもしれません(๑•﹏•)
大御所と呼ばれたエラですが(1917~1996)逝去されたのはつい最近なんですよね。(でも25年前とは…自分も年取るわけです😂トホホ)
エラを聞くと発音がほんとにキレイでとてもわかりやすく感じます。ピッチやリズムもきっちりしていてバックの楽器を口真似して覚えたという楽器並みの超絶フェイクも(この曲でなく)、天性の音感あってこそですね。
バラードは実に情感深く、このようなシンガーは他にいないのでは?と思うほどです。美空ひばりがそんな感じ? エラのほうが泥臭いかな。
今の若い人々はどう思うのでしょうね。だいたいジャズは暗い重い分かりづらいという印象を持たれがちだけど、素敵な歌も沢山あります✨現代に歌が生き生きよみがえればなぁと思いますね。
分野は違っても若いアーティストたちがまったりジャズを歌ってくれたら嬉しいですね(◍•ᴗ•◍)❤
All the things you are
You are the promised kiss of springtime
That makes the lonely winter seem long.
あなたは春の訪れを約束してくれる甘い口づけ
ひとりぼっちの冬が長いと感じてしまうよ
You are the breathless hush of evening
That tremble on the brink of a lovely song.
あなたは息をのむような夜の静寂
美しい歌が生まれてくる瞬間に震えているんだ
You are the angel glow that lights a star.
The dearest thing I know are what you are.
あなたは天使の輝き 星を照らしてくれる
最も愛すべきもの、それは僕の知っている限り
あなたの存在なんだ
Someday my happy arms will hold you,
And someday I'll know that moment divine,
When all the things you are, are mine.
いつか僕はあなたをこの腕で抱きしめるんだ
そしてその時僕にはわかるだろう
あなたがすべてのものであるその時、
つまりそれは僕のものなんだってことに
この歌詞の深いところは最後の ",are mine"だと思います。"あなた"に心奪われている時、美しい風景などにふれて心が揺さぶられたとき、その景色の中に”あなた"を重ねてしまう。何か完璧に美しい物として"あなた"が心の奥にイメージされるんですね。
そしてそれが自分の生きていることを生き生きと実感させてくれる。そんなことって人生でそうそうないことです。だからこそ恋愛ってマジックみたいに人の心を動かすんですね。emotional、エモいって若い人は言いますが…☺️
例えば宗教とかで神様の影をいろんなとこに見ることがありますが、そういうことに通じるのかもしれませんね。でも恋愛の場合、一瞬で落ち込んだり、冷めたり、後悔したり、逆によく言うところの恋が愛に昇華したり? 時の流れとともに移ろっていくものだったりします…
恋愛=自分が生きてる意味、なんですね。人間は様々な物語を創り出してきましたが恋愛の要素がないものはないのでは?と思えるほどですよね✨
恋愛は一人ひとりの特別なもので、すべての人が自分の人生の主人公だという、当たり前だけどすごくスペシャルなことなんだと思います(◍•ᴗ•◍)❤✨