母に会いに施設に行きました。

母はいつものようにベットで寝ていました。


「おかあさん、来たよ」と、

声をかけても反応なしです。


そっと、手を触ると冷たい・・・

冷たいはずです。

薄いひざ掛け毛布しかきていません。


施設の中は、勿論エアコンは入っていますが

じっと寝ている母にはちょっと寒そう・・・

毛布をかけてあげました。


「おかあさん、おはよ~」

すると、やっと目を開けてくれました。

顔を持っていくと

最初は、無反応だったのですが

やっと笑顔に。


「あぅ~・・ああぁあ~・・」


「うん、わたしよ。わかる?

おかあさん、元気でいるとよ・・

ちゃんと、ごはんを食べるとよ・・わかった?」


うつろな目をした母は、

まもなく目を閉じてしまいました。


私が帰ろうと、母の手をはずそうとしたら

ギュッと強く握られました。

(帰らないで・・)と、言っているみたいです。


「わかったよ、まだここにいるからね」