(前回の続き・・・)



「はい・・力を抜いてこちらを見て・・」


「・・・・」


「うう~ん、何もないわねぇ・・うう~ん」


おばあちゃん先生は、私の目をひっくり返したり

あかんべえをさせたりしながら、熱心に見ています。


「じゃ~、こちらに来てください」と暗室に連れて行かれました。


そして、あごを固定して光を当て、調べられました。


「やはり、何もないわねえ・・。まだ、痛いの?」


「はい、ゴロゴロします」


「どこらへん?」


「ここらへんです」


「・・・・ううん・・」


結局、何も見当らないということで、

目薬と飲み薬を処方され様子を見ることになりました。



家に帰っても、痛くて横になっていました。


目の中がまだゴロゴロしていて

絶対まだ異物が取れていないと確信。

他の眼科に行くことにしました。


よく考えたら、土曜日、それもお昼前です。

急に気持ちがあせります。


夫に眼科を探してもらって、電話をかけると

受付終了。


でも、車で20分位の所にある眼科が

3時まで診察しているということで

一刻も早く、診てもらいたい思いで

車を出しました。


「大丈夫か?」


「うん、行って来る」


本当は、目が開かないので不安でしたが

夫は仕事を離れられず仕方がありません。


運転中、痛みで目が開けられず、

視界が悪くなり、ノロノロ運転に・・


そうするうちに、今度は自分の意思で

目が開けられなくなり、手で開けて運転。

すると、今度は睡魔が襲います。

(このまま眠ってしまいそう・・)


その度に、ほっぺたを叩き、頭を叩き

目を開けながら、視界が悪くなった道路を

懸命に前に進みました。


遠くて長い道のりでした。


病院に着いて受付を済ませると、

やっと気が楽になりました。

後は、診察を待つだけ・・・。


その頃には、私の片目はパンパンに腫れて

いました。


この眼科の病院は、初めてです。

診察室がたくさんあり、

土曜日なのに患者さんが多いです。


しばらくすると、名前が呼ばれ

視力検査をした後、診察室に通されました。


先生は、中年の男先生。


あごを乗せて目に光を当てながら

「ありましたね。これです。見えますか?」


白い物がいくつか画像に映されていました。


「あぁ、これですか」


「木の破片ですね。痛かったでしょう。

小さいのもありますので全部取りますからね」


チクッとしましたが、その後は今までの痛みが

ス-ッと消えてなくなりました。


「はい、取れましたよ」と、ガ-ゼの上に置かれた木の破片。

ひとつだけ大きく、他は細かいのが数個ありました。

黒っぽい破片・・まさしく、あの古い家具でした。


「ありがとうございます。やっと楽になりました」

私もここでやっと笑顔になれました。


角膜がキズついていて

目薬と飲み薬を処方されました。


病院からの帰り道は

目も開けられて痛みも全くなく、

視界も広がり、先ほどの苦しさはうそのようです。

るんるん気分です。


(あっ、お昼ごはんはどうしたのだろう・・)

急に夫のことが気になり、車を横にとめて

電話をかけました。

時計はお昼をとうに過ぎていました。



本当に、目は大事ですね。

作業するときは、必ずメガネをかけないと

いけないと思いました。


それから、眼科の選択も必要かと・・。


長くなりましたが、私の痛い思い出でした。