日本に帰ってきた私は
当然、無職だった。
違うお店で水商売をやるにも
面倒でやる気も出ず
貯金もまだ、いくらかあるし
ゆっくり今後について考える事にした。
この忙しない日本という国で
働かないで家にいるということは
社会から取り残された気分になるし
満たされない気持ちでいっぱいになるから
とにかく、何かをやらなければ・・・と
1ヶ月ほど休んだ後、焦り始めた。
ある日、タネキン(今は、鶴亀?とか言う名前になったスーパーマーケット。)に
買い物に行った時だった。
私の目の前で
40代半ばぐらいのオジサンが
目の前でヘナヘナっと
横たわった。
勢い良く倒れたわけではない・・
でも、明らかに具合悪そうで
手足が少し震えている感じだった。
ええ??どうしよう・・。
私は、走って店内に行き
店員さんを呼びに行った。
早急に店員さんと戻り
話しかける。
店員「どうしました??」
オジサン「低血糖・・です・・。」
母方の祖母が、低血糖によくなっていた
私は、タネキンの中で
HI=Cオレンジとストローを買って
おじさんを起こし
飲ませてあげた。
祖母が低血糖になった時
母がこうやって対処していたのを見たからだ。
店員「救急車呼びますか?」
じゅん「10分ぐらい様子をみて、改善しないようなら・・。」
オジサン「すみません・・。」
この時の私の対象方法は
正しかった。
このことがきっかけで
私は、このオジサンから
後にいろんな資金を援助してもらえる事になる。
15分後、彼の体調は回復した。
彼は、私の住所と電話番号を聞いてきた。
オジサン「お礼がしたいのですが・・。」
じゅん「お礼されるような事は、何もしていません・・。
お気遣いなく・・。」
オジサン「やはり、気持ち悪いですよね・・。」
じゅん「いや、そういうわけでは・・。」
彼は、私に名刺を渡した。
私は、名刺を見る。
某有名銀行の本店で勤めている方だった。
オジサン「お礼をさせていただけませんかね?」
私は、シブシブ連絡先を教えた。
次の日、彼から
立派なすき焼き用のお肉と・・
カニwが送られてきた。
しかも、大量に・・。
こんなに頂いては、お礼の連絡をしなければいけない。
私は、彼の連絡先に電話した。
私は、お礼をしたいと提案し
一緒に映画に行きたいとのことだったので了承した。
彼の休みの日・・・
映画に行き、夕食を食べ
(全て結局ご馳走されたけど。)
楽しい時間を過ごす事ができた。
知的で紳士的な人。
穏やかで優しい人。
彼に対して、父という存在を
重ねていたのかもしれない。
不思議と警戒心はなかった。
今、無職で・・
何もしていない事を話すと
彼は、お財布から20万をとり出し
ホームヘルパーの資格を取ってみませんか??
何かをしていないと退屈でしょう??
それとも、勉学についていく自信がありませんか??
なんと、挑発的な言葉を使う人だろう・・
しかし、こういう人間は私は好きだ。
じゅん「20万円で行けということですか??」
オジサン「足りなければ、後日書留で送金します。」
彼は、にっこり笑った。
私は、20万円をとりあえず受け取らず
ホームヘルパーの資格の習得に掛かる費用を調べて
後日、その金額を渡してくれと頼んだ。
12万ほどで取れることがわかり
彼に連絡をし、お金を貰った。
人から、何かを学べと
半強制的に言われたのは、初めてだった。
私は、私という人間に期待して
この子は、できるだろうと・・信じてもらえた事が
嬉しかったし、心が少しクスグッタかった。
資格を習得するまでに
3ヶ月かかった。
実習を入れれば、4ヶ月だ。
この4ヶ月で
彼ともずいぶん仲がよくなった。
ホームヘルパーの仕事をする気は無かったけれど
特にやることもないし
何がしたいのかも、わからなくなっていた私は
とりあえず、少しだけ派遣型のところで働いてみることにした。
半年後、大事件が起きて
ホームヘルパーでは、やっていけなくなるのだけれどね。