ケアンズの朝は、鳥の鳴き声で目が覚める。


いろんな事を思いながら眠りについたけど

身体は、正直で疲れのせいかゆっくり寝られたと思う。


1時に由美がフロントのところに来ると言っていた。


とりあえず、ビザのもつ3ヶ月の間は、ケアンズにいるのだから

家探しも、何をするかも決めないと

だらけた生活になってしまうのが目に見えている。


本当に由美は、来ているのだろうか??


私は、半信半疑でフロントに行ってみた。


由美「じゅん!!こっち!!」


由美は、ちゃんと迎えに来ていた。


本当に由美は、気さくでいい子だ。


私は、由美に言われるまま車に乗り込んだ。


由美は、ケアンズのメインストリートから

シェアをみつけるためのショップ・掲示板などにも

連れて行ってくれた。


一通り案内された私は

ケアンズの町並みを把握できた。


あまり、栄えている街ではないから

簡単に覚えられる。


由美の案内は、とても的を得ていたし

無駄な動きがないのがすごく良かった。


時間は、夕方6時。


お礼に由美にご飯をご馳走しようと思い

由美のお勧めのお店に行った。


由美「ワーホリに来て、日本人の友達が出来たのは始めてだ。」

じゅん「でも、街ん中・・日本人いっぱいいたじゃん?」

由美「うん。なんか、最初仲良くなってもイロイロね、利用されてばっかで

    嫌になっちゃって。」

じゅん「利用?」

由美「私、少しだけ英語が話せるから。。すごいくだらない事なんだけど

   私も忙しいのに・・買い物に付き合わされて、全て訳してくれとか・・。

   ひどいのは、占いの訳してくれとか、シェアしてて揉めたから、通訳してくれとか・・。」

じゅん「・・。」

由美「自分で好んで学校に行っているのに、宿題をやってくれとか・・。」

じゅん「そりゃ・・ひどいね。イヤだって言えば良いじゃん。」

由美「昔はね、嫌な事はイヤだって言えたんだけど・・。」

じゅん「うん」

由美「言ったら、ハブにされて・・いじめられたりしたから

   頼まれると言えなくなるんだ・・。」

じゅん「そっか・・。私はね、意外と一人が好きだから

    合わない人間と一緒にいるぐらいなら、一人でいた方が楽だな。

    やられたら、やり返す・・嫌な子かもしれないけどw

    やられっぱなしなら、自分が病気になりそうだww」

由美「うん。病気になったの・・。精神分裂症。過呼吸症候群。

   それで、今まで、我慢して一緒にいた子たちに暴力を振るっちゃったの・・。」

じゅん「ストレスためないようにしないとね~。」

由美「だね!!」


私と由美は、この日を機会に良く遊ぶようになった。

私が、英語を話せることで

彼女は、ストレスを感じないらしい。


私は、韓国人の女の子とシェアする事になった。


ある日、韓国人のリュンと由美と3人でメインストリートを散歩していると

由美の言っていた日本人のお友達と出くわした。


由美の呼吸は、荒くなった。

リュンは、ケアンズの病院で看護師をしていて

由美の様子に気づき、懸命にケアをしていた。


由美の事を嫌っている日本人は

仲間同士5人でこっちを指差し

笑い、さげすんでいる。。

わざと聞こえるように・・

「分裂症がきた!!キモイ」とか

いろんなことを言っている。


その中の一人の男の子が私の前に来て

私の足元につばを吐いた・・・


私は、堪忍袋の緒が切れた・・・・


私は、奴の胸倉につかみかかり  

英語で大きな声で罵った。


「つばを吐きかけやがって!!訴えるぞ!!」と・・・


近くにいたオーストラリア人の男の子や

留学中のドイツ人などが集まってくる。


奴は、私の手を振り払おうとしていたが

私は、必死でつかみかかる。


ドイツ人のオリバーというガタイのいい男の子が

彼の腕をつかみ

押さえつけた。


奴「由美の友達だろ・・、日本人じゃなかったのかよ・・。」


リュンは、由美の隣で笑いながら私を見ている。


もみ合ってる内に、警察まで現れた。


オリバーや野次馬で集まってきたオーストラリア人が

警察に向かって、事情を説明してくれる。


警察が来たことで

不安になっているバカな男とその取り巻き・・


「どうすんの・・?」など日本語で口々に話している。


関係のない、近くの語学学校に通っている日本人まで

集まりはじめた。


私は、英語で警察に怒った口調でイロイロ訴えかける。


奴「・・・。」

日本人仲間「・・やばくね??・・・。」


私は、奴らの方をみて日本語で一言言った。


「やばいんじゃないの??オバカサン達??英語も話せねぇくせにワーホリになんて来てるんじゃねえよ!」


私は、警察に一応連行して英語でまくし立てて

説教してくれと頼んだ。

由美がいじめられてて病気になったこと・・

事の事情を説明した。

私は、正直に仕返しをしたいと訴えかけた。


いい警察官だった。

わざとパトカーを呼び、連行して

英語で説教する事を約束してくれた。


私は、警察に住所を教え

後から、どうなったかを聞けることになった。


日本語しか話せないで

人に頼って、頼った人間をいじめていたという

卑劣な行為を反省すればいい。


海外に行ったら

現地の言葉を操れる人間は強い。


言葉は、どこの国でも武器だ。


子供の頃、父がよく言っていた

「言葉は、武器だ。殴られた傷は、いつか治るけれど

心についた傷は、癒えるまでに時間がかかる。。

だから、言葉を選んで使いなさい。

人の悪口や中傷は、してはいけません。」


人は、何食わない顔で

人を傷つけてしまうから

本当に言葉を選ばないといけない。


父が私にしてくれたしつけ・・・

4つの法則


・嘘は、ついてはいけません。

(私が何か悪い事でもした時に、嘘をつかれてしまっては守るにも守れなくなるから。)


・自分より、弱いと認識した相手にはキツクあたらず、優しさを持って接せよ。

(人には、各自で持っている器があって・・傷つくことへのcapacity(キャパシティ)が小さい人もいる。

相手のcapacity(キャパシティ)が小さくて辛い思いをしていると気がついたら

自分の器に少し入れてあげればいい。)


父よ・・本当にあなたは、そういう人でした。

だから、あなたはもうこの世にはいないのでしょうね・・。

それでも、私は父の言葉を信じる。

私は、父のように自分の考えに自信を持ち誠実な人間でありたいから。


残りの2つは・・・内緒・・・


由美と出あった時に

由美が私にしてくれた数々の親切は、

決して、当たり前のことではなくって

由美が優しくて、誠実な人間だったから出来た事だと思うから

私は、オーストラリアにいるうちは・・由美の器から自分の器に嫌な事を入れていこうと思った。


だけど、全てに甘えたり、甘やかしたりする事が

優しさだとは、思わないから

由美が強く生きれるように、由美の前を・・私はゆっくり強く正しい道を歩いていこうと思った。


今、由美はアメリカで自活をしている。

リュンの影響もあって、病気を克服し看護師になった。


人に合わせる必要なんてない

自分の正しいと思う道を進めばいい。


例えば、それが誰かを傷つけることになったとしても。

結局、自分の正しい事と信じる価値観を人に押し付けたりしても

育った街や環境、周りの人間で

自分の人格が培われていく。

同じ人間なんていないんだから。


親は、必死にさぐりさぐりでも

いい子に育てようと懸命に戦ってくれていた


いい子に育ったという自信は、ないけれど・・・

自分の親が懸命に育ててくれた

私というこの人格を私は信じたい。