11度 | ジャンヌダルク農業大改革

ジャンヌダルク農業大改革

ブドウ畑で長靴をはいて

皆様
こんにちは、石原じゅん子です。
前回に続いて
収穫のお話です。
糖度を図るところからです。
糖度計を図ったら何と
11度!
ア~想像はしていたけど、やっぱり
ちょっとショックです。10月23日迄待ってもこれです。
今年はどの生産者も同じです。なのでその生産者も補糖します。
しないのは私や私の仲間達位で、今年は糖分を入れないワイナリーを
見つける方が難しいかもしれません。法的に認められているのですから…

ワイン専門ショップに行くとお店の前は色んな種類の補糖の商品が並んで
おります。とても不思議な光景です。
勿論一年中、その商品はありますが、今年はその種類が実に多いのです。
DMも沢山届きました。ケミカルなものからBIOの砂糖迄様々です。
ワイン売り場がボジョレー・ヌーボの季節になると色んなヌーボがお店の
前に陳列しているのと同じ感じです。
10年以上ロワールにおりますが、初めての光景です。
それだけ今年は特別な年という事です。皆初めての経験です。

さて絞り終わって収量を確認したら、何とたった9H★ まさか~…
90ケースもあったのだから通常は12~14HLは取れます。
今年は実がプリプリだったので、もしかしたら15HL位いくかなって
甘~い期待がありました。が、ものの見事に裏切られました。
当初予定していた14HLの木のCUVEEで仕込む事が出来ません。
急遽補欠用で準備していた樽で、いつものBOIS LUCASのやり方で
発酵させます。本当にワイン作りは計算通りにいきません。
500Lの大きな樽と225Lの普通の小樽に詰めると、チチチチチ…と
音が始まります。私はこの音が大好きです。
添加酵母菌は一切入れません。土地の個性が大切だからです。
その自然な土地からエネルギーを頂き、ここで発酵を始め、新しい命が
生まれている音なのです。ゆっくりゆっくり美味しいワインになる証拠です。
さて収量は少ないけども、味わいはなかなかチャーミングです。
いつものようなボリューム感はないけども、バランスの良い、綺麗な
自然な味わいです。最初のビンテージ2002年のカベルネ・フランも
11度でしたが、本当に今でも美味しいです。それを知っている私はこういう
年でも自信があります。子供達を信じているからです。

石原じゅん子