月欠け夜空の寝言唄

月欠け夜空の寝言唄

☪︎*。꙳寝言を呟く 月と猫が好きな物書きポエマー。

 

 

先日、「ああ、これは完全に職業病だな」と思う出来事がありました。

 

彼女の遠ーーい親戚の方が亡くなり、少し離れた葬儀場まで会葬に行くことになりまして。

彼女、彼女のお母さん、そして僕の三人で弔問へ。

会場はこじんまりとした落ち着いた葬儀会館でした。

 

⋯⋯が。

 

職業柄、どうしても見てしまうんですよね。

スタッフさんの動き。

 

「あ、この人すごく気が利くな」
「導線いいな」
「今の声かけ自然だったな」

 

などと、完全に会葬者ではなく同業者目線で見守ってしまう僕。

そんな中、お経が始まり、焼香も終わり、法話の時間になりました。

 

⋯⋯ん?

 

聞こえにくい。

お坊さんの声が、大きくなったり小さくなったりする。

まるで音量調整に失敗したラジオ。

ふと見ると、お坊さん、ピンマイクを使っていました。

 

ああ、ピンマイクか⋯⋯。

 

個人的には、こういう場面ではマイクスタンドの方が安心だと思っています。

誰に向けてのアドバイスか分かりませんが、僕は心の中で静かにマイクスタンドを推しました。

 

すると、法話の途中。

お坊さんがピンマイクを指さして、ひと言。

 

「これさ、電池切れじゃない?」

 

その瞬間。

 

ビクゥッ!!∑(O_O;)

 

いや、僕はスタッフじゃない。

今日はただの会葬者。

喪服を着た一般人。

なのに身体が勝手に反応する。

 

もし自分がスタッフ側だったら、これは胃がギャァァァァァァとなるやつです。

静まり返った通夜のホール。

厳かな空気。

その中で、お坊さんからまさかの公開ダメ出し。

 

これは焦る。

絶対に焦る。

 

たぶん、そこのスタッフさんも心の中で「ひぃぃぃ!」となっていたと思います。

 

結局、法話は最後までところどころ聞き取れないまま終了。

帰りの車内では、三人で、

 

「あれ、絶対焦ったよね」
「スタッフさん、内心すごかっただろうね」

 

などと話しながら帰りました。

 

そんなわけで、僕はやっぱりピンマイクよりマイクスタンド派です。

もちろん、スタンドは出し入れの手間があります。

でも確実に声は入るので。

 

通夜の法話でマイクトラブル。

会葬者なのに、なぜか心拍数が上がった夜でした。