Rー11 | あんなの地獄への階段

Rー11

田中『初雪か』

無人島に雪が降った。
僕らの通う高校はめったに雪なんてつもらないような場所にあったから、とても興奮していた。

バトルロワイアル中にもかかわらず、ひとり無邪気に雪だるまを作る田中。

田中『はぁあ。あの頃はよかったなぁ。』

津吹との戦いで疲れ切った田中は、眠るように地べたに座り込み、つぶやく。



『おいおい、ずいぶんリラックスしてんなぁ』

田中『はぁ?(息を飲む音)』

田中が作った雪だるまからヒョコっと顔を出し伊井くんが田中の目の前に立っている。


伊井『おれ、別れちゃった。今話かけられたら泣いちゃうよ。』

わけのわからぬ理由に戸惑う田中。

田中『…な、泣きたい時は泣けばいいんだよ。』

伊井『う、ちょっとトイレ行ってくる』

と行って伊井はトイレにタバコを吸いに行く。


田中『やるなら、今しかない』

田中は伊井がトイレにタバコを吸いに行く隙にカバンから武器のガラス製の灰皿を取り出し、このめんどくさい状況を打破しようと待機する。


伊井『やっぱ明日謝ろう』

トイレから戻ってきた伊井が一人、つぶやいた瞬間


田中『それはそれは、ご苦労なこった。そんな悩み、あるだけ幸せだと思うよ。仲直りするくらいなら、死んで償えや。』

田中は灰皿を全身全霊で振り下ろし、伊井くんの過去を消し去るつもりで伊井くんの頭に灰皿を叩きつけた。


田中『どうだ、んなことは俺の知ったこっちゃねぇんだよ。墓場でのんびり泣きやがれ。』

伊井くんの頭からは温泉のように血が噴き出て、まるで酒に酔った時のように目がうつらで薬物をやった時のように壊れる田中。

伊井くんの頭に鈍い音が響く。

田中『ひぇ』


伊井『ダイン、信じてたのに。杣、ソマ、ダインを…』

伊井くんは口からも血を吹き出し倒れた。


田中『はっきり言って、迷惑なんだわ!別れたが付き合おうが…俺には。黙って、死ねや!』

田中はめったに本心を口にしないが、伊井くんのあまりに幸せな悩みに怒りを隠せなかった。


田中『色々悩むならさぁ、悩まないように眠らせてやるさ』

伊井くんは顔の原型がなくなるほどぐちゃぐちゃにやられた。田中に。

そして、この無人島に初めての夜が明けた。