Rー10 | あんなの地獄への階段

Rー10

出口『あれ?…あれ?どこだよ。ってかどれだよ。俺の武器はいったいなんなの?』

出口は無人の小さな民家のイスに座りながら、支給されたカバンの中から武器を探していた。

出口『…なんだこれ。英語で読めないや。栃木で英語話すヤツいないしなぁ』

出口はカバンの中から小さなビンを見つけ、そこには英語で何か書いてある。
出口『なんて読むんだよ。ポ、ポイ…ソン?あ、まさか…ポーション?!ポーションか!体力回復するんだ!FFの世界だけじゃないんだ。本当にあるんだ。す、すげぇ』



ガシャン

ガシャガシャ

隣の部屋の窓ガラスが割れて誰かがこの家に入ってきたのがすぐにわかった。

出口は忍び足で木製の机の下に隠れ息を殺す

隣の部屋とつながっている扉がゆっくり開き耳障りな高い音が部屋中に響く。


『誰かいるんでしょ?出てきてよ。俺マジで戦う気なんてないって。頼むから出て来てよ』

出口『その声は…』

出口は机の下から静かに顔を出し手を振った

出口『棚木くん!』

棚木『出口くん!よかった。俺マジで殺し合う気なんてないから信じて!』

出口『うん。大丈夫。棚木くんなら。もし、柴田くんや原田くんだったら怖かったけど…棚木くんでよかったよ』

棚木はこの寒さの中、Tシャツにハーパン姿で、誰かにやられたのか腕には大きな切り傷があった。

出口『ってか腕どうしたの?』

棚木『あ、これね、ケイスケだよ。ケイスケ、バイトに間に合いたいがために、なりふりかまわず戦いを挑んでくる。全力で逃げて来たけど少しやられたよ。あいつの武器は出刃包丁。寿司屋でバイトしてるだけあるよ。持ち方もキレイ。そんなヤツがまるで通り魔のようにいきなりくるから、気を付けなね。』

出口『そんなぁ。バイトと仲間、バイトのが大切ってのかょ』

棚木『いや、でもあいつのバイト先、女の子いっぱいいるらしいし、しかたないよ』

出口『…優しいんだね。あ、そうだ。これ使いなよ。傷口に塗れば治るかも!』
出口はビンのフタを開け棚木に渡す。

棚木『すごいニオイだね。まぁ良薬口に苦しだな。ありがとう』

出口『飲んでも効きそうだよね』
棚木は傷口にポーションを塗る

棚木『…すげぇ、すぅすぅする。なんかすごい熱くなってきた。すごいな』

出口『普段はモンスターにやられた時とかに使うようなものだから、効き目も半端じゃないんだね。』


棚木『…う、うわぁ、いてぇ』

棚木の腕が溶け始め、傷口からぐちゅぐちゅと音をたて血が吹き出る。


棚木『なんだこれー。回復なんてしないよ。ひどくなる一方だ』

出口『ひどくなるとかのレベルじゃないよ!ヤバいって!うぇ。気持ち悪っ。』
棚木『て、てめぇ…騙したな!』

出口『え?いや、違う、ビンのこの表示が間違って…え?あれ?あ、ポイズンだって。ポーションじゃないや、ごめん』

ボトッ

和式便所に巨大なクソが落ちたような音のする方向を見ると、棚木の片腕が床に落ちていた。

血液の循環に乗って身体中に毒がまわる。

棚木『はぁはぁはぁ、めまいが』

出口『…ごめん、ごめん』
棚木が膝から崩れ落ち泣きじゃくる。

棚木『助けて~助けて~』
棚木の顔が変形し原型がなくなるくらいクッチャクチャになる。

棚木『ふぁふぅふぇふぇ、ふぁふぅふぇふぇ』

棚木の壊れように出口は思わず嘔吐し、棚木とゲロが交わり見てられない。

さらに出口は失禁し、もはや
棚木:ゲロ:小便が
2:4:4くらいの割合でもう…

出口は民家を飛び出し海まで走った。

そして海にむかって叫んだ。

『…』

いや、叫びはしなかったが、砂浜で大声で泣いていた。

その頃棚木は、ゲロと小便に交わりながら、死んだ。