※はじめに、今回おじさんは一切鳥の話はしません。
1970年代の国内における防犯灯(電柱などに取付けられたいわゆる白熱灯を使用した街灯、以下マウントという)はLEDなど存在しないことはもちろん蛍光灯や水銀灯も少数で、ほとんどが白熱灯を使用したものばかりであったように思う。幼いころの我が町内においても同様で、私は辺りが暗くなるころには道端にズラッと並んだ電柱と、その全てに整然と灯るマウントを眺めるのが好きだった。また昼間明るいときにそれらをよく観察したものだが、真新しそうなものから錆びだらけのもの、傘の色が違うもの、傘が折れ曲がっているものや失くなってしまったもの、その傘を支える柄の形状がS字のもの、直線のもの、電球が透明なもの、白色のものや割れているものまで───ほとんどの人にとっては全くどうでも良いであろう───それらの違いを発見しては、自分だけが知る極めてニッチな情報を得ることを楽しんでいた(変な奴でしかないw)。そしていつか自宅にあのマウントを取り付けるのだと強く思っていた。
小学生の時こんなまぢかで見てたら嬉しくて失神してたかもしれない
使用するのはもちろん白熱電球!
1980年代になるとマウントは蛍光灯に駆逐され始め、高校生となった1990年代ともなると我が町では全てのマウントが姿を消してしまったように記憶している。ただその頃には勿論様々なもっと楽しいことをいくらでも発見し、いつしか小学生の思いはすっかり記憶の彼方へと忘れ去られ三十余年。ふと目に入った自宅の古い玄関灯が錆び錆びのくせに侘びも寂びもねぇデザインだなぁと思ったとき、小学生の頃のマウントへの強い思いを急に思い出し、ネットで検索すると意外にもあっさりと発見できたため即座にマウントを購入したまでは順調だった。が、いざ取り付ける段階になって電気工事士の資格が要ることを知り頓挫。そして放置することさらに数年・・・だがしかしついに資格を取り、先日夢が実現した。
つい嬉しくて明るいうちから点灯しちゃう奴
早く暗くならないかな
言葉にならん。感無量とはまさにこのこと。
ところで私の中で玄関灯とは一晩中点灯しておくモノだったのだが、家内は寝る時間になると必ず消してしまう。問うたところ電気代云々ではなく寝るときは消すもんでしょ?とのことだ。どうなんだろう。本当は一晩中点けておきたいのだが、このご時世に白熱灯を一晩点けっぱなしは避けたいので文句は言うまい。電球型LEDも考えてはいるが、この何とも言えない昭和感というか明りの質感が変わらないか気になって、まだ踏み切れない。もう少しだけこのままにしようと思う。