BOOK OFFで、Princess Princessの2ndアルバム
『HERE WE ARE』を買った。
近年の再結成の話題もあったので、高値になっているのかなと思ったけど、杞憂の破格、¥280でゲット。
このお得感をあえて個人的に例えるのなら、
毛蟹1パイが120円、
東京⇔大阪間の運賃が1000円、
月までの旅行費が48万円となる。
「19 Growing up」「GO AWAY BOY」
その後に軸となるスタンダードがドーンと構えていて、
プラス脇を固める楽曲にも隙がない。
(「WONDER CASTLE」「冗談じゃない」等)
初期衝動と制作意欲が勢いよく合致し弾けるのか、
バンドの傑作アルバムと呼ばれる作品は、1stか2ndに集中している気がする、が持論。
この『HERE WE ARE』もその例に洩れず、
やったるぜ!的な気合いが全編にみなぎっていて、
トータルアルバムとして高い完成度に満ちている。
(アルバムとして、しっかりとした顔と意志があるのだ)
そんな中で、やはり隠れ名曲はある。
ヒット曲よりも、アルバムの端っこに置かれた佳曲に魅了されがちな性質のオレを、うならせてくれるナンバーが。
前振りが長くなったけど、その曲が
「FLAME」
作詞はアッコちゃんで、曲は登茂子嬢。
プリを単なるPOPロックバンドとだけ認識させないフック感は、ここらへんにある。長年に渡ってじわじわと効いてくる。
曲調は変拍子なミディアムテンポ、やや重めなファンク。
抑制を意識した奥居さんのヴォーカルが緊張感が高めていて、
音数を減らしたメンバーのプレイもスリリングで、心地良い。
そんな中でも特に秀逸なのが歌詞で、
性欲を静かに抱える女性の姿が、
剥き出しにもならず、理性を保ったまま相手を静かに挑発する。
下品に陥りがちな題材を、巧みな言語を駆使してまとめ上げている。
表面的に燃え上がる炎、その対訳が「FIRE」なら、
内面的にふつふつと燻りながら大きくなる焔が、
「FLAME」
そのタイトルが内容にピッタリで、改めて、頷いた。
個々にルックスでも個性美に優れ、
楽曲造りにも非凡な集合体、
それがプリです。