しばらく休みます。
切ない映画を二本、はしごしてしまいました。
一本目は「終戦のエンペラー」。
およそ、ハリウッド映画とは思えない、地味で真摯な作り。かといって、日本人には到底作れない、アメリカならではの映画だと思いました。
ストーリーはなかなか進展せず、蛇足的な恋愛も煮え切らない、ほとんど山場のない映画でしたが、ラストに、戦争を知っている日本人なら誰でもがグッとくるであろうシーンが用意されていました。
それまで、あまりぱっとしなかったマッカーサー役のトミー・リー・ジョーンズが、このラストシーンで、はじめて輝くような演技を見せ、このなんともつまらない映画を引き締めたように思います。
そんな中、もう一つこの映画を救ったのは、日本の俳優陣の迫真の演技でしょう。
観終わって、なぜか切なさだけが残り、すっきりしなかったこともあって、ちょうど時間的に合った宮崎駿の「風立ちぬ」を観てしまいました。
この映画は絵的には、ため息が出るほどきれいでしたが、どこか入り込めないもどかしさを感じた映画でした。
風の表現や関東大震災の表現の素晴らしさに比べ、ストーリーは煮え切らないと言うか、盛り上がらないと言うか、いつもの宮崎駿らしくないつまらなさ、ちょっともったいない。
この映画も救いはラスト、エンドロールに流れるユーミンの「飛行機雲」。
それまでのもどかしさを一気に解消するように、切なさがこみ上げてくる。
音楽の力は偉大です。