KENWOOD DP-1000を入手しました。

ハードオフでの遭遇率が高い80年代のKENWOOD機は、これまで複数台聴いてきましたが、どれも納得できる音ではありませんでした(中級機以下ばかりですが)。しかし今回はダイナミック大賞に選ばれた機種ということで、期待せずにはいられません。もしこれでダメなら80年代のKENWOOD機を追うのはもう止めてもいいかなとさえ思います。さて、どうなるでしょうか!?

 

入手したものは動作未確認の品でしたので、早速確認するとトレイが開きません。1985年製なのでまぁ仕方ないですね。チャッキングアームが持ち上がらず、引っかかってしまいます。手で持ち上げてやると、いかにも油が切れているような音を立てながらも開閉できました。

 

トレイ問題は一旦後回しにして、読み込みの確認をしてみるとCDを入れてもウンともスンとも言いません。そうなるとお決まりのレンズクリーニングですが、残念ながら効果ナシ。幸い、レーザーは出ているようです。もしや!と思い底板を見てみると、ありました輸送保護ロック・・・。ガッチリ固定されておりました汗。

 

これで一件落着♪

 

と思いきや、CDは回転するようになりましたが読み込みができません。回転速度が不安定な様子で、ときどき反時計周りになったりします。イヤ〜なムードです。

 

こうなると、ピックアップの左側のサーボ基板にVRがいくつか付いてますので、それらをイジってみるしかなさそうです。少しづつ時計回りに回したり、逆に回したりと完全な手探りです。そうしているうちに改善の兆しが現れ出しました。徐々に追い込んでいって、なんとか1枚読み込むようになりましたが、後半部分を選曲すると途端に逆回転しだしたりと安定してくれません。さらにVRをイジって執念の追い込みをかけます。小一時間ほど格闘の末、安定的に再生できるツボに到達しました。

 

お次はトレイの修理にかかります。癖のついたベルトとプーリーをクリーニングしてみましたが、何度かベルトを脱着したせいでしょうか、さらに伸びてしまったようで、当初よりも動きを悪くさせてしまいました・・・。久しぶりにバンコードで代替品を作ってみますが、10個以上作っても1回も引っかからずに開閉できる物が作れません。うまくいった!と思っても、本体を正常な置き方にすると引っかかってしまうのです・・・。さすがに参ってしまい、取り敢えず天板のネジ止めはせずに、かぶせるだけにしておいて、引っかかったらその都度手を突っ込んで介助するという暫定措置としました・・・。

 

さーて、

いよいよ気になる音ですが、やはりダイナミック大賞というのは信頼できますね。KENWOOD機で初めて音が良いと思いました。しかも、これは相当なモノだと思います。「荒削りだが生気あふれる再生音」というのがまさに的を得ている評ではないでしょうか。横への広がりは割と普通なのですが、奥行感と質感には魅了されます。これまで聴いてきたKENWOOD機には無かった味わい深い音で、生命感、躍動感を感じます。特にライブ感のある音源に合いますね。聴いていて非常に楽しく、聴き疲れもしません。この日ばかりはDP-1000だけでどっぷりリスニングを楽しみました。こうなると上位機種であるDP-2000も気になって仕方がありません。可及的速やかに入手せねばと思っております。

 

一つ短所を挙げるとすれば、90年代以降の打ち込みものには合いませんね。これはまぁ80年代のプレイヤー全てに当てはまる事だとは思うのですが。

 

加えて驚きなのが、DP-1000のヤフオクでの落札相場が送料含めせいぜい3000円程度であるという事です。玉数が多いのか、過小評価なのかは分かりませんが、これだけの音質のプレイヤーがこんなに安く買えるとは意外です。高値で取り引きされているSONYのTDA1541搭載機などよりよっぽど良い音がすると思うんですがねぇ。それにDP-2000の相場も思った以上に安いですね。というかDP-1000とあまり開きが無いです。不思議です。

 

【まとめ】破格の名機