もしかしたら、今年は凄い瞬間を見ることになるのかもしれない。

5歳から野球を観つづけて、数々の歴史の証人にはなってきた。

『江夏の21球』、『セ・パ同時三冠王』、『10・19川崎劇場』、『メークミラクル』、『楽天イーグルス誕生』………

さすがに王・長嶋は記憶にないけど、落合、バース、清原、斎藤、野茂、イチロー、松井、ダルビッシュ…といった名選手は観ることができた。

そして今年。
「エースで四番」が集まるプロ野球の世界。
そんな世界に足を踏み入れると、先に挙げた名選手だけでなく、過去に活躍したどんな選手でも、泣く泣く投げるか打つかを選択しなければならないのが常識だった。

選ばれた者しか入ることができない世界の常識がどういうものなのか、我々凡人にはとても想像できない。
想像できないからこそ、いま大谷翔平が打ち破ろうとしている常識に胸が高鳴るのも当然。

きょうの試合後、対戦相手の嶋は言った。
「ピッチャーでダルビッシュ、バッターで糸井さんみたいになったら脅威」
多少のリップサービスにしても、大谷翔平がダルビッシュ+糸井だったら「脅威」どころの話ではない。
一軍のレギュラー、しかも他球団の一流選手を研究し尽くしているキャッチャーの嶋をもってしても、それだけ可能性を感じずにはいられないのだろう。

ここまでワクワクさせてくれるなら、入団のいきさつなんて、もうどうでもいい。
高卒のルーキーにとって、初っ端の指導者は選手生命を左右する。
その点、今年からハムの投手コーチにジョニーが就任したのも大谷には追い風だ。

ただ実際、パ・リーグで二刀流の起用法は難易度が高い。
指名打者の解消が余儀なくされるため、きょうのような試合終盤で行くのか、それとも大谷出場の場合は指名打者放棄でハナっから九人野球になるのか、そのあたりの栗山采配からも目が離せない。