たまに近所の小さな公園で奴を走らせる。

今日をそのたまにの日にした。

リードを外すと、奴はいつものように颯爽と駆けだした。

公園に隣接する家の前に車が停まっている。

ライトが付いている、出発直前だ。

助手席に同乗者が乗り込み、車は静かに走り出す。

すると、奴もその車の後を追い、風のように走り出した。

まだ、朝の5時。

暗くてよく見えない。

懐中電灯を照らし公園内をくまなく探すも

奴の姿は見えない。

すこし焦る。

公園を出てあたりを見渡すがその姿はない。

5時とはいえ、時々歩いている人も走っている車もある。

危険だ。

冷や汗。

かなり焦る。

動悸。

最悪の事態を想像しつつ

小学校に沿って反対側の道に向かう。

と、道の手前の草はらに奴の姿。

懐中電灯を向けると、その光る眼は奴に間違いない。

いままでこんなことはなかったのだが

もうリードを外すのはやめた方がよさそうだ。

もともと法的にも放してはいけないのだ。

たまには、走らせてはやりたいが。

愛犬はたっぷり水を飲み、やがて微睡(まどろ)んだ。