塩野七生著「ローマ人の物語」文庫版15巻より自由 と秩序 は、互いに矛盾 する概念 である。 自由を尊重しすぎると秩序が破壊 され 秩序を守ることに専念しすぎると、自由が失われる。 だが、この二つは両立していないと困るのだ。 自由がないところに進歩はなく 秩序が守られていないと、進歩どころか今日の命さえ危うくなるからだ。 この考え方は、狂信とは無縁の思考法である。 しかし、哲学 を産んだギリシア人 や 法律 の父になるローマ人 にとってはごく自然で肌になじんだ思考法なのであった。 ローマ人は法の創始者でありながら、次のような格言さえ遺しているのである。 「公正を期してつくられるのが法律だが そのあまりにも厳格な施行 は不公正につながる」