2018年4月7日(土)
日比谷野外大音楽堂で、チャラン・ポ・ランタン presents “ブタ音楽祭2018” ランタンサーカス。
「見せて楽しませる」ことを第一義とした約2時間半。小春の大道芸時代の仲間でもあるパントマイムパフォーマンスユニット、to R mansionの圧倒的な身体表現によってイメージの広がりを大きく持つことになった曲が多数。細部まで練られた彼らの動きとチャランポ姉妹の音と歌との合わさりは、さながら高質なミュージカルの一場面のよう。昨年、上野恩賜公園野外ステージでの「ブタ音楽祭2017」で初めて彼らのパフォーマンスを観てけっこうな衝撃を受けたのだが、今回はそのときに披露された数曲に最新作のチャランポ楽曲も加えられ、いろいろと更新されていた。カラフルで、華やかで、毒もあるto R mansionのパフォーマンスは、チャランポの世界観と実に相性がよく、いつか「to R mansionとチャラン・ポ・ランタン」でコンセプトを持ったショートムービー、または(短くてもいいので)より明確なストーリーを有したライブを観てみたいと思ったりも。
そんなわけで目で楽しむことは大いにできたわけだが、耳からの楽しみはもうひとつ。残念なことに音の立体感を得ることができなかった。それ、ミュージシャンたちのせいではなく、強風に吹かれて音が流れてしまい、安定しなかったことが大きい。また自分がチケットを買ったのが遅くて後方のかなり右端の席だったこともあるのだろう、なにしろ音が迫力に欠け、バランスもよくなかったのだ。
チャランポ姉妹のステージにドラムのふーちんが加わる形はよくあっても、チューバのギデオンさんが加わった形でたっぷりやるのはレアなこと。チューバのブフォッと鳴る音の迫力だったり、アコーディオンとチューバが合わさってこそ得られる独特の郷愁成分のようなものを、だからもっと得られるとよかったのだが。風のせいなのか、PAの問題なのか、そのへんがいまひとつ伝わってこず、野音という会場の難しさを感じたりも。ロックバンドにはいい会場であっても、チャランポのような音楽性のユニットには、必ずしも相応しい会場とは言えないのかもしれない。まあ、昨日は特に強風と寒さという悪条件だったこともあるけれど…。
で、チャランポ+ふーちんギド。この編成は音響の良好な会場で改めていつかじっくり見て(聴いて)みたい。それは絶対に素晴らしいはずだから。
いやぁ、それにしても寒かった。途中、寒さに耐え切れずトイレに行くと、「あ~寒っ、あ~寒っ」とつぶやきながらそこでブルブル震えてた人がたくさんいたのも印象に残ったライブだった。