2016年9月18日(日)
横浜赤レンガ野外特設ステージで、SOUL CAMP 2016。
ブルーノートジャズフェスに続いて、この日も赤レンガ倉庫。2日間でひとつのフェスのような錯覚に襲われないでもない(どちらも去年に続いて2回目の開催だし)。が、客層はガラリと変わって、ブルーノートジャズフェスに比べれば年齢も一回りから二回りくらい下となる(とはいえ若者が多いというわけでもない。今が旬と言えるアーティストはマックルモア&ライアン・ルイスくらいであった故)。
僕はジャングルブラザーズが始まる20分くらい前に会場に着いたのだが、その時点ではちょっと不安になるくらいの客の少なさ。興行的に大丈夫なのか、これ。…といった感じではあったが、ゆっくり来る人が多かったようで、ジル・スコットが始まる頃にはまあそこそこと言えるくらいにはなっていたか。
人が少ない上に天気も悪かったがしかし、ライブステージ初っ端のジャングルブラザーズは気合十分のパフォーマンスを見せてくれて、気分は一気に高まった。オールドスクールヒップホップへの敬意を当たり前に散りばめたステージは、いい塩梅のおっさん感も漂わせた彼らの見かけと相まって、かっこよくありつつもどこかニッコリさせてくれるもの。ステージの脇ではスタッフが時間を気にしながらメンバーに「あと何分」と何度も合図していたが、ふたりは気にすることなく続行。そりゃ終わりたくないよな、特に後半どんどんドライブしていい空気になっていってたから。いやもう、望外に楽しかった。
続いてDJステージのほうでは、ネイティヴタン繋がりでクエストのアリ・シャヒード。堅実。そしてライブステージでネリー。正直そんなに通ってきてなかったのだが、それでも「なつかしっ!」と軽あがりする曲がいくつか。「ジレンマ」がキタときはさすがにまわりの姉さんたち共々ウイーってなりました。で、DJステージは続いてピートロック。ノセ上手、ってか、こういうフェスの場でみんなが何を求めてるのかをさすがにわかってる。MJを数曲続け、そこからのプリンス数曲、さらにJBへという流れが最高でした。
そしていよいよ、僕のこの日の目当てであったジル・スコット。去年のディアンジェロ、今年8月のマックスウェルと、長く待っての初来日ソウルアクトがみな素晴らしいパフォーマンスを見せてくれてるわけだが、結論から書くとジル・スコットもまさに待った甲斐ありの圧倒的なソウルライブ。ホーンに加えて男性コーラスが3人も入ったバンドをバックに、安定感ありまくりの歌を聴かせてくれた。思いのほかアップめの曲を多めに繋げてパワフルに歌っていく前半ではあったが、中盤からのミディアム~スローでは引きの魅力を感じさせ…といった具合に緩急&剛柔自在。揺れる場面などまったくない。国内外問わず「歌のうまい歌手」「ソウルフルに歌える歌手」はたくさんいるが、ハッキリ言って格が違う。デビュー盤の曲もアレンジを変えていくつか歌ったりするもんだから冷静じゃいられなくなるところがこちらにあったのは確かだが、冷静に聴いてたとしてもこの人は破格だなという印象を持ったに違いないですね。欲を言えばもっとスロー曲もたくさん聴きたかったところではあったが、今夜の単独ではそのへんもきっと叶えてくれるだろう。あれは恐らくフェス用にギュッと凝縮した攻め曲主体の構成だったんだろうから。ああ、それにしても素晴らしかったな。最早「ネオ」の成分(ジャジーって意味ね)は少量で、“王道のソウルを私は堂々とやってるのよ感”がドーンと出てて。今夜のダイバーシティ単独も超楽しみだけど、その前にまず野外フェスの場で観ることができたのは本当によかったと思う。
美味なるスコット汁を味わったあとは、DJステージでプリモ御大(DJ PREMIER)。褒め言葉として書くけど、かっこいいというより面白い! で、一通りのレジェンド系がどれも盛り上がって終わったところで、トリは今が旬のマックルモア&ライアン・ルイスだ。
彼らのライブは今回初めて観たんだが、非バンドの形であってもいろんなふうに趣向を凝らしててすごく面白かった。背景の映像も効果的。動きもあれこれ。1曲1曲どれもがグラミーを始めとするアウォードものでやるパフォーマンスみたいな凝り方で、“見せる”ことに力点が置かれているから、とにかく観ていて楽しいのだ。が、その一方、マックルモアはテロ問題とか人種問題とか重みのあるメッセージもズバっと言葉にしていて。それを含めてエンターテイメントに昇華するあたりが、これほどの人気の理由なんだろなと。なにしろ、何がなんでも楽しませようという意気を持った人たちはやっぱり強い。タイムテーブル観たときは、こいつらがトリかい?! と失礼ながら思ったが、観て納得。それはもう堂々たるものでした。そういや、彼らのライブ時にはいつのまにやらたくさんの人が。これだけ観に来た人も実は少なくなかったみたいだ。
ということで、来年以降のこのフェスはレジェンド的なアーティストと共にどれだけ旬のアーティストを入れ込めるかにかかってるのかも。
