2016年9月16日(金)
五反田・IMAGICAで、『SUPER FOLK SONG 〜ピアノが愛した女。〜』[2017デジタル・リマスター版] 試写。
1992年に劇場公開されてDVDにもなっているが、僕が観るのは今回が初めて。デジタル・リマスターということで、モノクロフィルムの粒立ちに加え、ピアノの音の響きがとにかくいい。ピアニストとしての矢野顕子がどういう音を鳴らす人なのか、その特徴が今までで一番ハッキリわかった気がした。
ピアノ一音一音に対する徹底的なこだわりと妥協のなさ、その凄まじい緊迫感は、観ていて胃のあたりが痛くなるほど。満足いく演奏ができるまで食事もとらずに何度でもやり直す一心不乱さはピアノの鬼といった感じだが、こうまでしないとその曲に宿らないものが確かにあるということだ。それが何なのかわかっているのは本人だけなのだが。
演奏して音を生む矢野顕子の映画であると同時に、これはそれを録るエンジニア・吉野金次の映画でもある、というのは観終えて強く思ったこと。矢野さんがなぜ金次さんを必要とするのかがよくわかる。そしてこれを観た人はエンジニアの重要さを改めて思い知ることにもなる。
2006年に細野晴臣さんが書かれた、吉野金次さんに関する興味深い文章を見つけたので、リンクを貼っておく。「音の品格」と細野さんは書かれておられる。なるほど。http://dwww-hosono.sblo.jp/article/1199935.html
ところで、矢野さんには過去1度だけ取材したことがある。怖かった。あのときの怖さと緊張が生々しくよみがえってきて、さらにまた胃のあたりが痛くなった。
この冬、2週間限定ロードショー。あ、そうそう、四半世紀も前の作品とあって、鈴木慶一さんが実になんとも若々しかったです。
