2016年9月3日(土)
新宿レッドクロスで、ザ・たこさんとハッチハッチェルオーケストラの2マン「たこ八ナイト」。
昼間は会場近くのファミレスにて、ザ・たこさんの4人に取材。10月発売の新作『カイロプラティック・ファンクNo.1』についての話をガッツリと(アルバムの発売タイミングで、音楽ウェブサイト「musicshelf」に掲載予定。乞うご期待)。
取材後に時間があいたので映画を1本観てから、レッドクロスへ。
「たこ八ナイト」。先攻はハッチハッチェルオーケストラ。久々に観た気がするが、ドラムも代わってまたバンドが若返った印象。バーベキュー、綱渡り、ビアガーデンなどお馴染みの曲を夏の終わりの“新宿の端っこ”に響かせ、たこ目当ての人々を巻き込みながら会場をひとつにする。稀代のエンターテイナー、ハッチは、この夜も“舌好調”だった。
後攻は我らがザ・たこさん。実験的とも言えるくらい意外性に富んでいて攻めまくったセットリストに吃驚&興奮。今ならこれだけ攻めても大丈夫。迷いの1ミリもない新作を完成された、これが現在の彼らの自信なのだろう。
まず、オープナーのインスト「ネギ畑」に続く2曲目が、なんとギター・山口しんじのヴォーカルで「ロックンロールフーチークー」(ジョニー・ウィンターのカヴァー)。かっこいい。こういうブルーズロックを弾かせたら、日本に限って言えば山口しんじの右に出る者はいないと改めて思う。そして、テーマの前にもう1曲。ヴォーカル・安藤が登場しての初っ端には、普段ならマントショーに持ってくることの多い「女風呂」。早くも会場内、熱気が充満。
テーマに続いては新作収録曲「カッコイイから大丈夫」。この曲はなんというか、どっか間抜けだったり、うまくいかないときをいくつも過ごしながらもなんとか頑張ってるようなやつ(僕もそうだし、あなたもきっとそうでしょう)の応援歌的なところがあって、聴いてて内側から盛り上がる。鼓舞される感覚があるのだ。ザ・たこさんの新たな名曲の感、あり。そこに続いたのがこれまた意外な過去曲で、久しぶりに聴く「ゴリラの息子」。僕はザ・たこさんの全曲のなかで5指に入るくらい好きな1曲だ。なんたって間奏あたりの山口しんじのギター効果がたまらない。
後半戦は、いま一番笑える「お豆ポンポンポン」に始まり、「肩腰、背中」ときて、本編ラストが「あんたはギビトゥミ」。どれも新作に入る曲だが、わけても「肩腰、背中」から「あんたはギビトゥミ」と続いたところが凄かった。わかりやすく笑いが入るのは「お豆」までで、「肩腰、背中」から「あんたはギビトゥミ」の流れは笑いの要素よりも観る者をグワッと渦に巻き込むグルーヴがとてつもない。笑いを求めている人はむしろ置いてきぼり。そのくらいの強度と濃度がこの2曲にはあった。また「あんたはギビトゥミ」という新曲でマントショーというのも思い切った発想だなと思ったが、それはとても新鮮で、“あんたのお尻はブッチャーか高見山”…このフレーズが一夜明けても耳から離れない。今のこのバンドの押し出しは、やっぱ絶対的にファンクなのだ。
アンコールは「ナイスミドルのテーマ」をハッチハッチェル迎えて演奏。例によって安藤とハッチはプロレス技の掛け合い(=ふたり馬場対決)を延々繰り返して笑いをとったが、演奏においてはファンクなナイスミドルのあのテンポにヴァイオリンが絡むところがなんとも奇妙な面白さだった。
という具合に、「ロックンロールフーチークー」の始まりから「あんたはギビトゥミ」でのマントショーまで、「そうくるか?!」ってな場面がいろいろあったこの夜のステージ。こりゃ、10月のクアトロや11月の服部緑地野音ワンマンも何が飛び出すかわからんな。進化するソウルショー。見逃せない。
