11月9日(日)

下北沢ガーデンで、チャラン・ポ・ランタンと崩壊バンド。
「秋のゲシュタルト崩壊ツアー2014」初日。

*ネタバレしない程度に、ただ少しだけ雰囲気をイメージさせる箇所もありますので、これから行かれる方はご注意を。念のため。

秋フェスなどでいくつかショートライブは観てたが、ワンマンでがっつりというのはカンカンバルカンとのグローブ座(5月)以来か。だいぶ久々。しかもこれまたずいぶんと久々の崩壊バンド編成だ。

カンカンバルカンがひとつの方向に向かってまとまっていくあり方のバンドだとしたら、崩壊バンドはその名の如くある程度の崩しとぶつかりがスリリングだったりして面白い「即興おおいにけっこう」型バンド。

インタビューした際、小春ちゃんもこんなふうに言っていた。
「ウワモノが変わるだけでこんなに崩壊するんだって感じだからね。崩壊バンドはベースのさくらんちゃんぐらいしか、曲が外れてったときに線路に戻そうとしてくれるメンバーがいないから」「とっちらかっちゃってもいいんじゃない?って思うような人しか集まってないっていう(笑)」「“あのときのあそこがよかったよ”って言っても、“え? どんなんだっけ?”っていう感じだから。とんちゃんはそうだね。舞子たんもそう。二度と同じことを弾けない(笑)」

つまり一言で書くなら自由度の高いバンドということだが、ツアー初日だった昨日の公演を観る限り、各自の演奏面における自由さがまだ炸裂してはいないというか、火花を散らすような合わさりやぶつかりにまではまだ至ってなかったというか、それよりむしろ進行面でのバタツキのほうが気になった。気になったというか、それも初日感ありありで観てて面白かったんだけど、でもこのバンドの真骨頂はまだまだこんなもんじゃないだろとは思ったな。即興的な面白さが現れるのは一通りの流れをメンバーみんなが踏まえて消化した上でのことであって、昨日はまだその前段階でわさわさしてた感じ。

今回のライブ、ぼくはカンカンバルカンのライブとの差別化を図ってダークめの曲やヒリヒリするような曲が多くなるのではと勝手に予測してたのだが、意外にもショーとして目指す方向性はカンカンバルカン時同様、エンターテインメント性が濃く、明るくみんなを楽しませるというもの。あんな曲からこんな曲まで恐ろしく幅広く、なかなかこう一括りにできない(一筋縄ではいかないとも言える)セトリであった。
祭りモードからじんわりモード、高熱から平熱、山のてっぺんから海の底までと、モードや温度感は1~2曲ごとにめまぐるしく変わり、その上あんなコーナーこんなコーナーとテンコ盛り。実に旺盛なサービス精神で、その楽しさ・面白さにウヒャヒャっとなりながら、しかし一方でぼくが感じてたのは、こんなに忙しいと演奏のグルーヴが生まれにくいんじゃないか、それぞれの演奏の自由度を発揮しづらいんじゃないかということ。実際あのふーちんでさえどこかいつもの落ち着きを少し欠いてたように見える場面があったし、ももちゃんは久々に歌う少し前のダークめの曲も最近の明るめの曲のほうの歌い方にチューニングが合っちゃってるようだった。そのあたり、特に初日感が見えたところ。

で、崩壊バンドといえばなんといっても磯部舞子たん。昨日もその存在感の大きさは十分際立っていたけど、彼女の演奏の奔放さとバンド全体のそれとの間でもっと火花がとんだり、または一体となってものすごいグルーブが起きたりするのは、まだこれからなんだろうな、とも。昨日は序の口。そこが23日のキネマ倶楽部公演にぼくが最も期待してるところだ。

ベースのさくらんちゃんは、なるほど小春ちゃんも言ってた通り「曲が外れてったときに線路に戻そうとしてくれる」落ち着きあるプレイが昨日も光ってましたな。頼りになる姉さん。

そしてもうひとり。サックスのとんちゃん。バンドが変わろうと初日であろうとまったく動ぜず自分のペースで、しかもカンカンバルカンのとき以上に鋭くも印象に残る音を響かせていたのが彼女だった。臨機応変。とんちゃん、大人!

と、そんな崩壊バンドのゲシュタルト崩壊ツアー。キネマ倶楽部までにどう仕上がっていくのかが本当に楽しみです。
なんか凄いことになってそうな予感、めちゃめちゃするなー。


昨日公開になった新曲MV「71億ピースのパズルゲーム」。
『俺俺』みたいに増殖するチャランポのふたり。いいねぇ、これ。