11月1日(土)

Zeppダイバーシティで、BONNIE PINK。

「Almost 20」と題されたツアーの、この日は初日。ということもあって、ボニーは「はしゃいでる」とも言えそうなくらい楽しそうだった。早くまたみんなの前で歌いたくてしょうがない!という気持ちでずっといたのだろうし、それがこの初日を迎えてパンと弾けたのだろう。

選曲がまずよかった。最近の彼女のライブは前半~中盤に比較的最近の曲を集めつつ、その中に今まであまり演奏されてないような「おっ」という意外な曲を混ぜ込んでファンを唸らせ、そして後半に所謂ヒット曲や代表曲をまとめて盛り上げ終わることが多いのだが、今回は特にその前半~中盤の「おっ」の部分が熱心なファンにとってはたまらないものになっていた。ツアーはここからなので曲目は書かないが、あれとか、あれとか……ああ、曲名書きたい!

キャリアが長く、アルバムもコンスタントに出してきたひとである故、持ち曲の数はたくさんある。ライブでほとんど歌ってない曲もけっこうあるだろうし、一時期は歌っていたけど最近はまったく…というものもたくさんあるだろう。
今回のように新作を携えてのツアーじゃないものは、だから数多い持ち曲の中から今回はどういう曲が選ばれるのだろう…というのがファンにとっての最大の楽しみになるわけだが、恐らく熱心なファンであるほど今回の選曲は満足のいくものだったんじゃないだろうか。僕は大満足でしたね、はい。

そんななかでも今回のツアーのハイライトはといえば、封印状態にあった1stアルバム『blue jam』の楽曲演奏がなされたこと。来年ボニーはデビュー20周年を迎えるのだが、その前に自らの原点をしっかり振り返って確認しておきたかったということらしい。

ステージには『blue jam』の収録曲名が書かれたルーレットが登場し、挙手で選ばれた観客が回るルーレットに矢を放って決めるというやり方。エルヴィス・コステロがこの前の公演でやっていたアレを参考にしたんでしょうな。
これだけは日によって変わるので書いてもいいだろうから書いてしまうと、この日当たって歌われたのは「Curious Baby」と「オレンジ」。「Curious Baby」が聴けたのは嬉しかったですなぁ。

バンド演奏のクオリティは非常に高かったし、彼女の歌も伸びやかだった。バンドは鈴木正人、八橋義幸、奥野真哉というお馴染みのメンバーに加え、今回はドラムが若手の伊藤大地に変わっていたところがポイント。僕は知らなかったのだが、どうやらSAKEROCKのドラマーらしく、既にかけ声が飛んだりもしていた。初日であるこの日の段階でも呼吸の揃いを十分に感じ取れたが、これからツアーをまわっていくなかでよりバンドサウンドの強度が増していくことだろう。

来年、デビュー20周年。そういえば1stアルバム『blue jam』が出たときには、僕は「CUTiE」誌で取材させていただいた。その後何度となく取材させていただくことになったわけだが、そうなのだ、あれが最初にボニーと会った日なのだ。そのときの感じ(部屋の雰囲気とか彼女の感じとか)を、僕はわりと最近のことのように覚えていたりする。19年も経ったなんて信じられない。
というような話を終演後の楽屋で彼女にすると、「お互い長くやってますよね(笑)」。

tofubeatsの曲の客演などでまたいい感じの風が吹き始めているし。久々のフルアルバムもいま作っているそうだし。20周年となる2015年はいろいろ大いに期待できそう。と、そんなことも感じられた、いいライブだった。12月のオールスタンディングのライブも楽しみです!