10月23日(木)

渋谷・TSUTAYA O-EASTで、「橋本潤 生誕55周年祭~Tribute to HASHIMOTO JUN~」。

4月に死去した橋本潤さん(横道坊主のほか、ザ・ロッカーズ、シーナ&ロケッツ、佐野史郎のゼラチン・シルバー・ミュージック・クラブ・バンドなどに在籍したベーシスト)の追悼イベントだが、生誕祭と銘打たれたことからも伝わる通り、音楽で明るく楽しく賑やかに潤さんをおくろうというもの。

会場は見事に満杯。皮ジャン、リーゼントの40オーバーらしきひと多数。会場内ステージ向かって右手奥のバー・スペースはそういうひとたちで溢れかえり、煙草の煙モクモク。そのバー・スペースを始め、トイレや階段などいろんな場所で「おおっ、久しぶり!  ○年ぶりやな。元気にしてた?  いま何してるの?」といった挨拶が交わされている場面に遭遇した。昔はつるんでワルやったりバンドやったり潤さんまわりのバンドを一緒に追いかけたりしていたものの、ある時期から離れてそれぞれの暮らしをしていた、そんなひとたちがこの場所で偶然再会をはたしているのだ。それはなんだかいい光景だった。きっとみんな、潤さんがまた会わせてくれたんだって思ったことだろう。

ライブは6時に始まり11時まで、実に5時間に及ぶ長丁場だったが、石橋凌、シナロケ、再結成ロッカーズなど、福岡のベテラン勢の存在感を改めてまざまざと見せつけられ、同時に出演者全員の潤さんへの思いに何度も胸が熱くなった。

初っ端から石橋凌がバンドと共に登場。潤さんが好きだったという「AFTER'45」では、ステージ向かって右側に並べられた潤さんのベースやステージ衣装、遺影を見つめながら「オレたちは生まれ~ 狭い街角で~ 出会った~」と、まさに潤さんに伝えるように歌唱。泣かずに聴けるわけがない。

そこからTHE BLACK-50、寺田町、ゼラチン・シルバー・ミュージック・バンド(佐野史郎さんは潤さんのことを話しながら胸を詰まらせていた)、シーナ&ロケッツ、三宅伸治&THE TRAMP、ザ・ロッカーズ、トリの横道坊主(元THE MODSの梶浦雅裕らがゲストで加わりスーパー横道坊主に!)まで、潤さんに縁のあるバンド~ミュージシャンが次々に熱く演奏。どのバンドのフロントマンもメンバー紹介のときに「ベース、橋本潤!」と誇らしげに叫んでいたのが印象的だった。

圧巻だったのはなんといってもこの日のためだけに再結成されたザ・ロッカーズだ。
4年くらい前の花田裕之の50歳記念ライブで観たときにも思ったが、やっぱ陣内は華がある。役者が違うって感じ。1曲目「ロックンロールレコード」からあの大きなアクションとジャンプでこっちも火がつき、ちょっとどうかしちゃった感じになってしまったよ、僕は。声のでかさも伸びも最高だし、セトリも最高(ロックンロールレコード~非常線をぶち破れ~1999~ムーンナイト・ラブ~涙のモーターウェイ~可愛いアノ娘~ショック・ゲーム。って、やばいっしょ、これ)。当時相当追いかけてたこともあって全部ソラで歌えたわ。いやもう、ロック・ヴォーカリストとしての陣内はやはり唯一無二のかっこよさであったのだった。また観たい。

それから別の意味で特に心に残った男がひとりいる。三宅伸治&THE TRAMPと横道坊主のステージで呼ばれてベースを弾いた弱冠18歳、潤さんの次男坊だ。父の道を継ぐことを決意してそこに立った長身の彼は、ステージをはける時には父のベースを高くあげ、そして観客に何度も深々とお辞儀をしていた。
で、アンコールではこの日の出演者がほぼ全員出てきて潤さんが好きだったという「イマジン」を演奏。終わって最後までステージに残り、もう一度潤さんの愛用したベースを高くあげてみせたのもその次男坊だったのだが、それまでニコニコしていた彼がそこで遂に目をおさえて泣きだした。観ていた僕も思わずもらい泣き。で、回りを見たら、やっぱりたくさんのひとがもらい泣きしてた。いやあ、最後の最後のあの場面が一番きたわ。

いいライブだった。バンドって、繋がりって、いいな(羨ましいな)と、そう思えたイベントだった。