7月29日(火)
品川プリンス・ステラボールで、LORDE。
フジロックで観た際の衝撃・興奮・感動が未だ冷めやらぬなか、LORDE、1夜限りの単独公演を観に行った。
単独公演が発表されたとき、これは1分でチケットが売り切れるだろうと思ってぼくも慌ててとったのだが、そんなことはなく、けっこうギリギリまで残っていたようだ。が、(ぼくを含め)フジで観た人たちが絶賛し、今年のベストアクトにあげてる人もたくさんいたことから、遂にチケットは完売に至ったらしい。
いずれにしても、このぐらいのハコで観ることができるのは間違いなく今回が最後。レッドマーキーで観たこともステラボールで観たことも、いずれ自慢できることになるだろう。
この夜はレッドマーキーのライブの拡大版。時計を見てなかったのでわからないが、10分~20分程度、フジより長くやったと思う。
とはいえ、基本的な内容は変わらず。替わっていたのはLORDEの衣装で、フジでは全身ホワイトだったのが、ステラボールでは全身ブラック。後半は衣装替えもあって、全身ゴールドになっていた(ちょっとジュディ・オング風)。
それと客層。当然フジのほうが海外の方々が多く、その分、熱狂の度数も大きかった。シンガロングが何度も自然に起きたりもした。この日は、そういう場面はなかった。
ただ、客の年齢層は広かった。フジにはほとんどいなかった彼女と同世代の少女も少なからずいたが、意外と40代、もしくはそれより上の年輩の方が多かった。親子で一緒に来てる人たちもわりと見かけた。やはり所謂ロック・バンドのライブとは違う客層だった。
ただ、客の年齢層は広かった。フジにはほとんどいなかった彼女と同世代の少女も少なからずいたが、意外と40代、もしくはそれより上の年輩の方が多かった。親子で一緒に来てる人たちもわりと見かけた。やはり所謂ロック・バンドのライブとは違う客層だった。
ドラムとキーボード。バックのメンバーはもちろんフジのときと同じでふたりだけ。フジのときよりも少しだけ冷静に聴くとなると、ドラマーの腕前がかなり高いことに気付いた。
そのドラマーのビートがライブ感たるものを決定づけている。
音の迫力という意味では、低音がズーンと重く鳴り響くレッドマーキーのほうが上だったが、かといってステラボールがあからさまに劣ってたわけではない。
LORDEの歌そのものの表現力・説得力。それと、あの動き。集中力の高さ。2度目であっても、それにはやっぱり驚かされる。
17歳であんなにも落ち着いていて、あんなにも堂々としていて、あんなにも揺らぎがないのは、一体なんなのか。
ひとえに人間ができているのだと思う。真っ当にしっかり生きているんだと思う。彼女の書く歌詞と一緒で、スターのエゴみたいなものを全く持ってないのだろう。換言するなら、素直であることの強靭さみたいなことかもしれない。
帰りに志帆ちゃんとバッタリ会って話したのだが、「30代のよう」と彼女も驚いていた。
「いろんな国をまわったけど、日本はほかと比べられないくらい素晴らしい場所。こんなに素晴らしい国、日本に来れるなんてすごいことだと思う」とか「原宿にも行ったのよ」とか、真剣に話していたけどその内容はいかにも10代。でも彼女は嘘をつかない人だろうから、ああ、心底そう感じているんだな、嬉しいんだなということが伝わってもきた。
フジでも思ったが、イントロのアレンジがドラマチックめに変わった「ロイヤルズ」はやっぱりCDで聴くよりグッときた。
それと、この日はアルバム未収録の「Easy」という新曲が聴けたのだが、これがすごくよかった。
新曲は確か2~3曲やったが、この「Easy」がとりわけ印象に残った。
この1曲からしても、2ndアルバムはさらに力強いものになることは間違いない。
アンコールはなし。最後の曲を歌い終わったらLORDEはスッとステージを去り、客電がついた。が、アンコールがないからといって文句を言う人は誰もいなかった。
彼女は出しきったのだということがわかる濃密なライブだったからだ。
フジの神ライブはやっぱり偶然のものではなかった。
LORDEは凄い。何度でも繰り返すが、破格の才能だ。
そして、惚れ惚れするほどかっこいい。
何も間違ってなくて、心がキレイで、それでいてあんなにスター性、カリスマ性を持ったアーティストに出会えることなんて、後にも先にもそうそうないだろう。