7月17日(木)

恵比寿リキッドルームで、『SMA 40th presents スパゴー兄弟vsチャランポ姉妹』。

SMA所属の若手とベテランが揃った40周年記念イベント。前半はチャラン・ポ・ランタンの仕切りで期待の新鋭たちがぞろぞろ。後半はSPARKS GO GOが中心となってベテランのゲストがぞろぞろ。といった2部構成。

前半のチャランポ仕切りパートがとにかく楽しかった。
単にゲストたちとセッションするだけじゃつまらない……というところからの発想か、ここで彼女たちは「のど自慢」の形式を採用。ももが司会及び鐘(チュープラーベル)の鳴らし役を務め、小春は横森良造よろしくアコーディオンで伴奏。真ん中に幕を張った入場口が置かれ、そこから出演者が順に出てきて「のど自慢」するというような趣向だ。出演者は順に、蜜、タカハシヒョウリ(fromオワリカラ)、住岡梨奈、そして最後にはスパゴーの八熊慎一も。

それぞれがまずカヴァーを1曲(蜜「私がオバさんになっても」、ヒョウリ「帰ってきたウルトラマン」、住岡「青い珊瑚礁」、八熊「トンネル抜けて」)歌い、続けてオリジナルも1曲ずつ。それら全てを弾きこなす伴奏・小春のアコーディオンの音色がリキッドという音響のいいハコによくはえていた。と同時に、何より感心させられたのは、ももちゃんの司会っぷりだ。どうやらずいぶん緊張していたらしいが、なになに、実に堂々たる喋り&絡み。
共演回数も多い蜜やヒョウリくんとのやりとりは軽妙で、この日は9割方がスパゴー組のファンと思しき人たちだったのだが(つまりアウェイ)、どっこいそんなお客さんたちも巻き込んで大いに笑いをとっていたのだった。

いつもなら小春が毒をまぜつつ話を進めるものだが、この日小春が喋ったのはほんのちょっと。彼女は伴奏に徹し、その分ももが場を読みながらあれこれアドリブ効かせて進めていく。その場読み力とボケ&ツッコミのシャープなこと!  その勘の良さにはけっこう感心させられたな。これまでもちょいちょい出ながらもまだ潜在的だったMCの才能がここにきて一気に開花した感じだ。
加えて出演者たちのオリジナル曲も一緒に歌うという働きぶり。オワリカラの「Q&A」はいつものことながらやっぱりよかったが、この日特に新鮮だったのは住岡梨奈のポップ曲(タイトル忘れた)を一緒に歌ったときのその爽やかなあり方だった。さらに最後は「愛の賛歌」で、「民生とふたり~~」と歌うももちゃん。さすがでした。

いやぁ、楽しかった。「女をなめんなよSP」もそうだが、イペントにおいてここまでの働きができるのはやはりチャランポの強み。初めて観て「いい!」と思った人も多かったことでしょうね。

休憩挿んで、後半戦はスパゴーの3人がハウスバンドっぽく演奏し、そこに真心ブラザーズ、PUFFY、ABEDON、奥田民生と松浦善博が順にゲストとして混ざるベテランのみなさまの時間。先にも書いたが観客の大半はこっち目当てで観に来てたと思しき30代後半~40代くらいの女性で、スパゴーの曲などに両腕あげてノリノリで反応していた……が、僕がこのバンドのライブを観るのは実はこれが初めて(今までまったく通ってこなかった)。なのでいたって純粋に演奏力に感心しながら観た。
こちらのパートの進行役は八熊さんで、喋りもいい味出ていたが、しかし真心やPUFFYやABEDONらの喋りはといえば極めて内輪ノリでダラダラ感満載。この前ユニコーンの幕張メッセのライブを観た際にも思ったことだけど、それ、ファンの方々は嬉しそうだが正直僕にはちと辛い(ダルい)。
笑いの質、テンポ、切れ味は、前半のチャランポを柱にした若手コーナーのほうが上に感じられたし、そっちのほうが楽しく、エンターテイメントの質として冷静に考えてもそのへんに関しては若手のほうに軍配を上げたくならずにいられない感じでしたな。
まあ、とはいえ、演奏はそりゃあみなさんさすがのもので、なかでも民生の存在感と華、歌とギターの迫力はやはりダントツで光っていたけれど。

で、最後は出演者全員でツイスト「燃えろいい女」。民生の横にチャランポっていうのが絵的に新鮮というか、なんか「おおっ」って感じもあったなぁ。

SMAさん40周年。そしてチャランポ5周年。どっちもおめでとうございました!