6月22日(日)

下北沢GARDENで、「Leyona 15 Private Party」。
Leyona&The Band …and more!!!

Leyonaのデビュー15周年を祝う、ゲスト多数のパーティー形式ライブだ。

17時スタートで、終演は21時半過ぎ。実に4時間半の長丁場でさすがに足腰にきて立ちっぱの辛さを感じなくもなかったが、印象に残るいいパーティーだったことは間違いない。

DJ BIG-Tこと佐藤タイジがパブリック・エナミーなど90年代のヒップホップをかけて会場をあたため、そして17時半頃からライブがスタート。
主役のLeyonaが弾き語りで2~3曲歌ったあと、ギターの山本タカシが入ってふたりで数曲。続いてセネガルのパーカッショニスト、ラティール・シーも混ざり3人で数曲。かつてはよくこの3人でやっていたそうだが、このアコースティック・セットがまずいい湯加減で気持ちよかった。

続いてLeyonaと同世代らしい山嵐が登場。バンドだけの演奏のあと、Leyonaもそこに加わる。

休憩挿み、後半戦のゲストはまず仲井戸"CHABO"麗市。Leyonaとふたりで2曲。「Leyonaは太陽の子みたいなイメージだから、そんな曲を選んできた」とチャボ。で、「A Place In The Sun」のカヴァー。グッとくる。
そしてLeyonaのデビュー前の話。どうしてもと言ってチャボにプロデュースを頼んだデビュー曲「オレンジ」の白盤をあるときLeyonaが清志郎に渡したところ、清志郎の反応は「なにっ!? 仲井戸がやってんのか!?」。その話を聞いた瞬間、「やきもち(笑)」「ざまあみろ!」と天を指差してLeyonaの肩を抱くチャボ。っていう、この場面がなんともよかった。
また、Leyonaが多くの人に愛されているということを、「今日のみんなの嬉しそうな顔見てればわかるけど、楽屋もすごいんだよ。いろんな人が次から次へとお祝いに来るんだ」みたいな話をすることでチャボは表現。彼女を紹介するときには「ソウル・シスター!」と何度も。これは嬉しかっただろうなぁ、Leyona。自分がずっと憧れてきた人とステージでこうして共演し、そればかりかこんなふうに祝ってもらえるんだから。

このようにとにかくあたたかな人柄がそのまま出ていたチャボとの数分間に続いては、チャボ曰く「既に泥酔状態」の奥田民生がなるほどいかにも酔っ払いな感じで登場。アコギを持って喋り出すも、呂律がまわってなくて観客爆笑。こういう民生を近くで見れる機会はそうそうないのでかなり面白かった。が、演奏が始まりゃそりゃしっかり聴かせるあたりはさすが。広島出身同士のふたりで歌った「線路は続かない」がよかったです。

セットチェンジのあと、続いてはシアターブルックのステージ。
新曲を1曲やったあと、Leyonaも混ざって「ありったけの愛」。これがもしかするとこの日のハイライトだったかもと思えるくらいによかった!
Leyonaにとってタイジが頼れる兄貴のような存在だということも、ふたりのやりとりからは伝わってきた。

最後のパートはLeyona&The Band(シアターブルックの沼澤尚、中條卓、エマーソン北村に、ギターは山本タカシ)。で、タップリ(確か)1時間近く。
ぼくはついこの前、ITADAKIフェスで観たばかりだったが、やはりこのバンドの出す音は素晴らしい。The Bandという名前だが、その演奏はまさしく60~70年代にアメリカで活動したあのThe Bandを想起させるところもあったりするのだ。
スロー曲がだいぶ多めではあったが、「日本の偉大なソウルマンが作ってくれた曲をやります!」と言って始まった「ダンスミュージック☆あいつ」が最高で、ここで最もいい盛り上がりを見せた。

とにもかくにも、Leyonaがいかに音楽を愛し、多くの素晴らしいミュージシャンたちを愛し、そしていかに愛され、いかにいい関係を築けているか、そのことがよくわかるパーティー・ライブだった。
もっと言うなら「Leyonaの行き方」及び「Leyonaという生き方」が初めてハッキリ感じられたライブでもあった。
メイン・ヴォーカリストとして歌うだけじゃなく、彼女はいろんなコーラス参加もとても大事なこととしてやり続けてきた人でもあったわけで、このライブではその両方があったからいまがあるのだという、そのことがよく表れていたように思う。
誰もが知っているヒット曲があるわけじゃない。が、彼女はとにかくライブで歌うということを15年間続けてきて、僕も何度となくいろんなフェスやイベントで観てきたものだけど、その積み重ねでこの日があったということでもある。
まさに継続は力なり。自分でも言ってたが、続けていけばこういういい日が迎えられる。言葉で書くと軽くなってしまうが、続けていくことの大事さをぼくも確かに感じた夜だった。

そういえばLeyonaにはデビュー当時にインタビューしただけで、以降なかなか機会がなかったけど、いつかじっくり話を聞いてみたいものだなー。