5月25日(日)
東京グローブ座で、チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン。
「五月病の特効薬ツアー2014」千秋楽。
「五月病の特効薬ツアー2014」千秋楽。
これまででもっとも「チャラン・ポ・ランタンと愉快なカンカンバルカン」という“バンドの”面白さを伝えることに主眼が置かれたライブだった。
カンカンバルカンの面々は演奏のみならず、新曲のいくつかではコーラスも担当。これ、いままではほとんどなかったことだ。
ホーンズはステージ向かって左側の定位置に固まるばかりでなく、(従来と比べると)けっこうな割合で前や中央や右側に動いたり。場面によってはももちゃんを両側から挟む形にホーンズが立ったりして、そうした際のステージ前方の並びが絵的にかっこよかったりもした。
“うんザイル”ふうダンスもしっかりまとまってたし。物販宣伝コーナーではいままで以上にひとりひとりに役割が与えられていたし。何よりこの日は、まさかのごまちゃん歌唱による「大都会」が聴けたりして。
いやホント、キャラ立ち豊かなバンドでありますなぁ、カンカンバルカン。
以前からこんなにそれぞれのキャラが立ってたかといえば、ここまでではなかった。というか、潜在的にあったそれぞれの個性のユニークさがここにきて一気に“見えるもの”になったという感じか。
それを引き出し、観客にもわかりやすく伝わる見せ方を楽しみながら考えているのはもちろん小春ちゃんで、プロデュース力なんて言い方したら彼女はきっと嫌がるだろうけど、でもそれがあってのいまのバンドの面白さだということは間違いなく言えるだろう(だってそもそも、ももちゃんをあのように覚醒させたのも小春ちゃんであったわけだからして)。
そして、多少は照れたりしつつもカンカンバルカンのメンバーがみんなと~っても楽しそうに与えられた役割(演奏のみならずときには踊ったり歌ったり)を全うしているのも微笑ましい。でもって、それぞれのブログとか読むと、そりゃあいろいろ気を配ったり努力したりの様子も伝わってきて、まあなんというか、バンドっていいなぁなんて思ったりもしてしまうわけですよ。うん。
ということで、カンカンバルカンの華やかさと面白さが全体の楽しさに直結していたこの日のライブ。
カンカンバルカンの演奏のよさのみならずコーラスまでも活かされてる新曲があんなに増えたってことは、いまはバンドで動く楽しさやらなんやらを小春ちゃんとももちゃんがまた発見したり噛みしめたりしてるってことだろうし、だからまだまだこれからどんどん面白くなっていくんでしょうねぇ、このバンドは。
それからもうひとつ。今回のライブを観て思ったのは、ヘンな言い方だけど、ものすごくショーとして「しっかりした」ものだったということ。
勢いと安定感がちょうどいい塩梅の演奏はもちろん、全体の構成がしっかり練られていたし、しっかり笑わせて少し切なくもさせる、そのバランス加減も絶妙だった。
音響もよかった(少なくとも1階で観たぼくにはそう感じられた)。
音響もよかった(少なくとも1階で観たぼくにはそう感じられた)。
観客の熱も初めから高く、その熱とバンド側の熱(楽しみたい気持ちと楽しませたい気持ち)がひとつになった故の一体感があった。そういう意味でも、ライブのあり方としてひとつの理想形に近づいた感じがあったかもしれない。
以前(もう1~2年前か)、小春ちゃんはその日その場でやる曲も曲順も臨機応変に考えてやるほうが好きだみたいなことを話していた。大道芸出身としてはそれはそうで、もちろんいまもそこで培った瞬発力とかハプニング対応力とかが活きているなーと感じられるところがたくさんあったりもする。逆に今回のショーのように曲順も演出もいろいろ決められた上でやるほうが彼女にとってはある意味チャレンジ的だったりもするのだろう。
が、今回はそれをしっかりやろう、作り込んだものを見せようという覚悟のようなものもぼくには感じられたライブだった。
断っとくが、作り込まれたライブが上で、そうじゃないものが下なんてふうにはもちろんぼくは思ってない。両方あっていいし、両方できるのがチャランポだ。恐らく小春ちゃんも、ある部分では完成度を求めつつ、でも完成形が見えるとどっかで退屈しちゃうような業深き性格だったりするので、だから日替わりのご当地ソング(?)コーナーを作ったり、最終日にはごまちゃんに歌わせるという面白ムチャ振りを直前にぶっこんだりもするわけだ。そうやって自身にもバンドにも刺激を与えて楽しんでいるのだろう、きっと。
そのように、しっかり構成されたショーをしっかり進めながらも、しかしその枠に彼女たちはちっとも縛られてなくて、そこがいい。とりわけももちゃんの自由度は近頃増すばかりで、ときに姉すら吹きだしたり困ったりするぐらいの様子がまた面白い。
その自由さを象徴する曲が「スーダラ節」だが、まさかあれを1曲目に持ってくるとは予想もしなかったので驚いた。今回の曲順で、あれがもっとも大胆に思えたものだ。
その自由さはまた終盤の「Oppai Boogie」や「愛の賛歌」でも炸裂することになるわけだが、一方で「空中ブランコ乗りのマリー」などでは空気が張り詰め、「私の宇宙」などでは切なさのようなものをそこに漂わせる。そうした歌唱表現力の幅と緩急のつけ方がある上、出る音にも緊張感のようなものがあるから、決してベタっとしたショーにはならないのだ。
アナ雪やTRFやうんザイルやクイーンといったネタも十分に用意されていたが、どれもももちゃんの歌唱表現力あってこそ活きるもので、ネタでありながら単なるネタではない…それこそしっかりした芸にもなっていた。
借り物競走とか竹馬とかエアリアルとかバーレスクとか、これまでも(特にワンマンでは)サーピス精神に満ちたいろんな演出がなされてきたわけだけど、今回はモノや誰かに頼るのではなく、全て音楽そのものでなされていたということにも留意しておくべきだろう。
そういういろんな変化(と進化)を考えるにつけ、メジャー行きはある種必然だったんだなとも思えてくる。
あんなにもメジャー・デビューとエイベックスという会社をネタにして笑いに変えるひとたちがかつていただろうか、とも思うけどw
まあ、これだけしっかりしたショーを見せられちゃうと、昔っからのファンのなかにはかつての危うさとかもそれはそれでちと懐かしくなったりするひともいそうだけど(かくいうぼくも正直ちょびっとそれを感じたところもあったのだけど)、でも完成度ばかりを求めるような小春ちゃんではないし、だからまた自らこの形をぶっ壊して、自分が楽しめるほうへと歩を進めながら攻めていくんでしょうね。
個人的には、次は崩壊バンドでどこまで行けるのかを観てみたいところ。
作り上げと壊し、楽しさとダークさを交互に出しながら、細かいこと振り切ってどんどん行っちゃってくださいや~。
作り上げと壊し、楽しさとダークさを交互に出しながら、細かいこと振り切ってどんどん行っちゃってくださいや~。
