新木場スタジオコーストで、Hostess Club Weekender。
これまで恵比寿ガーデンホールやZepp Diver Cityで行なわれてきたHCW。今回はスタジオコーストに場所を移しての開催となった。
前日から積っていた雪が溶け始め、駅から会場までの道がビチャビチャでかなり歩きにくかったが、開演ちょい過ぎに着いて、この日の全アクトを観た。
出演は順に、エラーズ、アウスゲイル、ドーター、チャーチズ、モグワイの5組。
ぼくの目当てはライナーを書いたこともあって、初来日のアウスゲイル。目当て故に前のほうの真ん中で真剣に観ていたから……という点を差し引いても、もっとも印象に残った。
前日にアイスランド大使館で行なわれたミニライブはアコースティック・セットだったそうだが(ぼくは雪に負けて断念)、この日は彼含めて総勢5名のバンド・セット。極度にシャイらしく、一言も喋らず、笑顔を見せずに淡々と曲を進めていった(それでも終わってから「可愛かったね~」とか言ってる女の子たちが数名いましたね)。
多数のエレクトロニックな機材とアコギなどの生楽器。その両方を混ぜたサウンドのあり方。盤でも感じたことだが、生音と電子音の折衷加減がとても自然で、そういう世代なんだなぁと(なんせまだ21歳ですから)。
ライブだと想像していた以上にジェイムス・ブレイクからの影響(彼自身、好きなアーティストのひとりに挙げていた)が色濃く出る。抽象的な電子音のビートに乗せてファルセットを聴かせるその感じがかなりJBのライブの雰囲気に近いのだ(ただJBが歌うとソウルっぽさが漂うが、アウスゲイルはそうはならない)。
そんなムードが俄かに変化したのは終わりの2曲だった。
まずFMでもよくかかっているキャッチーな「キング・アンド・クロス」で、彼の温かみが表出。続いてこの日の締めとなった「トレント」では昂揚感のあるメロディに熱を込めて放射した。
短い持ち時間ではあったが、淡々と進めながらも、終わりの2曲でしっかり頂点を迎えるように構成されたステージの運びは「やるね~」といった感じ。勢いなどに頼らないそのやり方に頼もしさも感じられた。
なんといっても彼の魅力の第一はその透き通った歌声の美しさ(それはよくボン・イヴェールを引き合いに出されたりも)で、このライブでも歌そのものに引き込まれっぱなしだったのだが、それでいて「彼とバックバンド」といったふうではなく、ちゃんとバンド表現になっていたのがよかったし、この先もっと広がりを作れるだろう。
あと、何曲かを母国語で歌ったりもしていて、そうなると神秘性が強調されたりも。
世界デビューを飾っても母国アイスランドにしっかり立脚点を置いてるようで、そういうところもいいじゃないかと思ったのでした。
そのあと、ドーター、チャーチズと観て、最後がモグワイ。
いや、別格じゃったな、モグワイは。
嵐のような騒音美。
圧巻でした。
ところで、今回の会場となったスタジオコースト。言うまでもなく音がいいので、ライブを観る分には非常によいのだが。転換時になると一斉に人がバーカウンター前に溢れだし、その上トイレに並ぶ人とごちゃごちゃに混ざって、ちょっとしたカオス状態。恵比寿ガーデンホールのように休めるスペースがどこにもなく、結局会場の中にいたほうがましってことになるという。外には出られたので春や夏ならいいのだろうけどね。冬にこういう長時間のイベントは、あの状態じゃちょっと厳しいですな~。そこ、課題かも。

