ホセ・ジェイムズのバンド・メンバーになったことからよく知られるようになり、日本人で初めて米ブルーノートと契約したことも話題になったトランペッターの黒田卓也さん。
ぼくも数年前にホセのライブで彼を知ったのだが、ソロで米ブルーノートと契約の報を受けたときには吃驚しながら嬉しく思ったものです。
さすが、ドン・ウォズ。
そんな彼のインストア・ライブ。
ステージは渋谷店入口真正面とあって、まあものすごい人の数。
そりゃ、たまたま来た人だってあんなクールな音楽がいきなり聴こえてくりゃ、立ち止まって見ますわな。
開演時間ちょい過ぎ、黒田さんとバンド・メンバーが登場。
ゲストで出演すると予めアナウンスされていたホセも一緒にでてくる。
そしてホセ以外の4人がステージの上へ。
メンバーはホセ・ジェイムズのツアー・バンドそのままで。
ドラムがリチャード・スペイヴェン、ベースがソロモン・ドーシー、キーボードがクリス・バウワース。
最早(ホセ周辺のジャズが好きな人には)説明不要の凄腕ミュージシャンたち。
う~ん。贅沢。
まずはホセがプロデュースした黒田さんのアルバム『RISING SON』から「Afro Blues」、そして「Mala」。
温かみとエッジの両方がある黒田さんの吹奏が強力なリズム隊の音に合わさると実にグルーヴィーで、こちらもカラダが動かないわけにはいかない。
わけてもリチャード・スペイヴェン。
ぼくはホセのバンドのドラマーとして5年くらい前に彼を認識し、以来ずっとファンなのだが、今回のインストアは間近だったこともあって彼の千手観音的ドラミングの凄さをダイレクトに感じることができた。
いやもう、近くで観ると(聴くと)とてつもないね。
柔らかな叩きなのにスティックさばきのスピードは信じがたいほどで、ドラミングそれ自体が創造的。
ぼくが観ていた位置的なこともあって、いつものホセのライブ以上にリチャードのドラミングに気持ちが奪われました。
あと、クリスのキーボードの音色の深みもにもね。
因みにホセはといえば、彼らの演奏中、ステージの後ろで音に身を任せて動いたり、ご機嫌な表情を見せていたり。
勿体付けて最後にいかにも特別ゲストとして現れるのではなく、最初からずっと後ろにいて一般客と同じように聴いてるってとこがいいじゃないですか。
そうやって主役はあくまで黒田さんなのだと立てるあたりがホセらしいというか。
で、最後の曲でそのホセがいよいよステージへ。
これやるだろうなと思っていたが、やはりその曲、ロイ・エアーズの「Every Loves The Sunshine」。
ホセ登場と共に湧く観客たち。
そういうスター性が確かにあって、それはもう空気が変わったほど。
相変わらずの艶っぽい歌声!
この曲ではソロモン・ドーシーにマイクを向けて歌わせる場面もあり。
主役の黒田さんの吹奏もホセの歌と合わさって一層輝きが増したようだった。
そんなふうに各自のいいとこをより際立たせながら1曲に膨らみを持たせるやり方をするのがホセのさすがのマスターっぷりでもあるよなと。
そんなことも感じたミニ・ライブ。
観覧無料のインストア・ライブの枠を超えた、それはもう贅沢なひとときであって。
